159、悪い口癖 ページ12
「ちょっと赤、何するんですか離してください」
「青、お前はちょっと黙ってろ」
赤に口を塞がれて青はうめき声をあげた。
力じゃ青は赤に敵わないからな……。
私も悠長なことを言ってはいられない。
隊長が物凄い形相で青を睨んでいるからだ。
「総悟、頼むから落ち着いて。どうしたんだ一体」
「……お前は、何も思ってないんで?」
「何が?」
なんの話か分からない。
何も思っていないのか、というのは一体どういうことだろうか。
「失敗作、ってやつでィ」
「……ああ、それは青の口ぐせみたいなものだから別に……」
青は私のことを毛嫌いしているから、会うたびに失敗作だの使えないやつだの言われ続けているから、特に何も感じていなかった。
隊長が怒っているのは青が私のことをそう呼んだからだったのか……。
「その、青とオレは仲がよくなくてすぐ口喧嘩に発展するんだ。だから、」
「だからってまるでAを作り物みてェに言うのは気にくわねェ。離しなせェA」
「そんじゃ青連れてくわ。悪かったな沖田。こんど手合わせしてくれや」
「そこの青狸置いていきなせェ」
「ダメダメ。んじゃなー」
ずるずると引きずられていった青を見送ってから、おとなしくなった隊長の腕を離した。
青は私や赤とは違って体があまり強くないから、あまり暴力沙汰は得意じゃないんだよな。
後で気絶した青を運ぶのはいつだって私が赤の役目だったから、またそんな面倒なことになるのはごめんだ。
「……次あったら殴る」
「殴っちゃダメです」
「あんな野郎を庇うんで?」
「かばってるとかそういうんじゃなくて、単に面倒になるから」
「A、俺ァお前が傷ついていなかったとしても、ああいう態度をとる野郎は気に入らねェ。お前がどれだけ止めようと次はぶっ放すんでそのつもりで」
「ちょっと待ってさっきまで殴るだけじゃなかったか。ぶっ放すって何をするつもりだっ」
「大丈夫大丈夫、死なない程度にしておくんで」
「大丈夫じゃない!」
絶対バズーカのことだよな?!
そんなことをされたら本当に困る!!
「んじゃまあ、見廻りに戻るとするかァ…」
「聞いてるか総悟?!」
「今日の夕飯は何かねェ」
「ちょ、ちょっと?!」
頼むから本当にやめてくれよ?!
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からし(プロフ) - るいさん» コメント有り難う御座います!好きと言ってもらえてとても嬉しいです^ - ^ これからも更新頑張ります! (2020年5月23日 21時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - うわぁぁめっちゃ好きです。めっちゃドキドキします。これからも更新頑張ってください! (2020年5月23日 20時) (レス) id: 7170045398 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - ゆに。さん» コメント有り難う御座います!夢主は作者の好みが詰め込まれているので可愛いと思って頂けたならとても嬉しいです!またお暇なときにでも見に来てくださいね^ - ^ (2020年5月20日 7時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
ゆに。(プロフ) - たまたまこの作品を見つけたんですけど、ものすんごく面白いです。めちゃくちゃ面白いです。夢主ちゃんも可愛いし続きが凄く気になります!!頑張ってください!!! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 9d3542e5d1 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメントいつもありがとうございます!作者も早くくっつけたいです!更新頑張りますね^ - ^ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月18日 16時