105、人恋しい ページ7
自分の部屋で寝るのは本当になんだか久しぶりな気がする。
もう見慣れた天井の模様をぼうっと見ながら、眠れない目をただ開いていた。
…折角幽霊騒動に結末がついて、男は逮捕。
もうなんでもないはずなのに、何故寝れないのだろうか。
最近人と一緒に寝てばかりいたから…?
隊長の部屋がある方向の壁をちらりと向いてそっとため息をついた。
……弱ったなあ。
私、こんなに寂しがりだっただろうか。
「…漸く来やしたか。入っていいですぜ」
隊長には私のする事などバレバレだったらしい。
隊長の部屋の前で悩んでいたら声をかけられてしまい、そっと襖を開けた。
アイマスクを頭の上にかけ、こっちを見た隊長はちょっと笑って布団を少し開けてくれる。
「…仕方ねぇ奴。おいで」
「……ぅ…、は、はい…」
布団に潜り込むと、ふわりと隊長の匂いがして心臓がばくばくしているのになんだか安心もして変な感じがした。
「たく、最初から素直になりゃいいものを」
「……」
「もっとこっち寄りなせェ。布団被れてねぇだろうが」
先程よりも距離が近くなった隊長の顔が見ていられなくて、顔をうつ伏せにした。
…な、何してるんだろ、私。
「パンダ」
「はい…」
「明日も一緒に寝て欲しかったらおねだりしてみなせェ」
可愛くな、と付け足されて思わず体を起こした。
な、な、なにを言って…っ?!
「なんでィ、明日から一人で寝るんで?寂しく?」
「あ、明日からは一人で寝ます」
「本当に出来ると思ってるんで?あの幽霊が全部あの男だったって保証、どこにもねぇのに…?」
その言葉に顔から血の気が引く気がした。
…幽霊騒動の中、本物が混じってる可能性がある…??
そんなわけ、なんて思って隊長の方を見た。
思ったよりも真剣そうな表情に、冗談じゃないのだと言われている様な気がして息を飲む。
「……い、……」
お、おねだりって何!?
なんて言えばいいんだっ!
「…い、一緒にね、寝たい…です」
「もっとしっかりハッキリと。あと敬語もなしで俺の名前呼びなせェ。総悟ですぜ、総悟」
難易度が上がった!?
「……そ…、総悟と一緒に寝たい…。だ、ダメ…か?」
「もう一声」
「怖いから総悟と一緒に寝たい…っ」
「……仕方ねぇから明日からも一緒に寝てやらァ」
そう嬉しそうに言った隊長はアイマスクを付けてそのまま寝息を立て始めた。
…も、もうなんなんだよ…一体……。
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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時