男装パンダは恋を忘れられない【沖田総悟】3

146、警戒は継続で ページ48

隊長は次の日の朝には大分体調がマシになったようで、ソファーに座って普通にご飯を食べている。
副長には現状を朝にも伝え、もう少ししたら迎えの車が来ることになっている。
雨はもう上がり、びっくりするくらい晴天が空を彩らせていた。

「…総悟。もう少しで迎えが来ると思うから、一旦オレ着替えてくるよ」
「ん」

食べながら頷いた隊長の姿をみてから、立ち上がって脱衣所に入って…ゆっくり座り込んだ。

昨日の隊長の言葉がずっと頭の中で回ってる。
隊長は私が好き、で…私の気持ちはバレてて…隊長は私の告白待ち…？的な感じじゃなかったか？？
いやさすがにそれはないだろうと思ってもそれしか考えられなくて頭がぐるぐるする。

兎に角、確実に言えることは隊長の頭を悩ませているのは私だった、という事で。

頭を振ってきっちり防具と隊服を着てから脱衣所を出れば、お腹いっぱいになったのか横になっている隊長の姿があって。

……好きって、伝えても本当に良いのだろうか。
でも、私の勘違いかもというか夢かもしれないし。


「…A？どうしやした？」
「っ…なんでもない。そろそろ下に行こう。歩ける？」
「ん」




隊長と一緒に屯所にもどり、隊長を布団に寝かせてから副長に報告しに副長の元へ足を運んだ。

「すみません。仕事を放っておいてしまって」
「いや、仕方ねぇよ。総悟の具合はどうなんだ？」
「今はだいぶ落ち着いてきています。まだよくなさそうでしたので寝かせてきましたが…」
「…で、何があったんだ？」

それに関しては、よくわからなかった。
隊長に今日聞いた限りだと、どうも変な女性に子供がいなくなったと声をかけられてあの嵐の中探し回ったらしい。
よくよく考えてこの雨の中子供がどっか一人で行くことはないだろうと思い途中で切り上げたとのことだ。

「……妙な話だな」
「そうですよね。その女性も途中で姿を消したらしいですし」
「お前はなんともなかったのか」
「はい。特別何も…」
「うーん……そうか。とりあえず話はわかった。もしかしたらAを狙った事だったのかもしれねぇし、攘夷志士の仲間だったのかもしれねぇ。周辺には注意しておいてくれ」
「はい、わかりました」

確かにちょっと気になる内容だ。
……暫くは大人しくしておいた方が良さそうだな。

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