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145、決意(別視点) ページ47

総悟は酷い怠さに、目を開いた。
暗闇の中、何があったんだっけと思考を巡らせる。
(あー…頭いてぇ……)
体を動かそうとして、何か温かいものが自身を包んでいる事に気がついた。

「…っ、」

声を出しそうになり慌てて口をふさぐ。
総悟を抱きしめるようにして眠っているAは少し身動いだ後、総悟をぎゅうと抱きしめた。
その事に動揺して総悟は目を見開く。
(…ん、あれ…心臓の音?)

ああ、防具してないのか。

そこまで気が付いて総悟は一気にAから距離を置いた。
グラグラする頭の中、Aに視線が釘付けになる。

「…ん…?あれ」
「……A、俺」

布団にいない総悟の姿を探してキョロキョロしたAは、布団の外にいる総悟の姿をみて目を見開いた。

「さ、寒さは大丈夫か?!熱は?!」

慌てて駆け寄って額に手を当てると、その熱さにAはその眉を寄せた。
(…Aの、匂いが強くて、)
熱のクラクラなのか、匂いによるものなのか分からなくなりそうだった。

「まだ熱いじゃないか。寝ていないと、」
「A……俺、どうなってたんだっけ…」
「お、覚えていないのか?」

そう言って顔を覗き込んだAの目を見て、総悟はゆっくり頷いた。
(確か、寒くて寒くて…布団に包まったのは覚えてるんだが…その後が思い出せねぇ…)
どうしてAと一緒に寝ていたのか、思い出せなくて総悟は痛む頭の中考えを巡らせるが…。

「と…とりあえず熱があるんだから寝よう。寒さはもう大丈夫?」
「…熱い」
「そうか…これ以上熱は上がらないのかもな」

総悟を布団に戻して、熱くはないか?と聞きながら布団の枚数を調整した後、Aは手ぬぐいで総悟の汗を拭った。

「お前、防具」
「防具あったんじゃオレの熱が分けられないだろ」
「……わりぃ」
「いや、総悟の体の方が大事だよ」

そう言って、Aは総悟の額を拭った。
その姿をただじっと見つめていると、Aは何度か口をぱくぱくとした後、そっと口を開いた。

「……まだ、勇気が出ないけど」
「ん」
「総悟には、オレの事、知ってほしいって思ってる」
「……ん、」

その真剣な表情に、総悟は頷いた。
(何があったか、思い出せねぇけど)
これまで頑なに拒んでいたAの心が、少し開いたようだった。
それが分かってから、総悟はゆっくりと目を閉じた。

「…もう少しだけ、待ってて」

Aの最後の言葉は雷の音の中、静かに消えていった。

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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時

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