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144、無意識の告白 ページ46

「…A、俺ァ、そろそろ限界、だぜ……」

急にそう言い出した隊長に、私の頭の中は疑問で一杯になった。

一緒の布団に入って暫く。
…恐らく二時間ほどが経過している。
隊長は変わらず酷い熱にうなされていて、時折苦しそうに息を吐いていた。

限界と言うのは、熱が上がってしまったのだろうか。
隊長の熱は高くて、私も汗が流れるほどだ。

……これ以上上がるようなら、病院を考えなくては。
それとも、もう病院に連れて行ったほうが……。

「早く、お前に触れてェ。……キスしてェ」
「?!」

な、な、何を言っているんだ?!
すり寄ってきた隊長に私の体はさらに硬直する。
きゅ、急にどうしたんだっ!

「いつになったら……、お前は俺に言うんで……」

なんのことかわからなくて、少し離れて隊長の顔を見ようとしたが。
思ったよりも弱い力でそれを制されて、私の動きは止まった。
どうしたんだ……?隊長は…。

「ずっと待ってんのに、………頼むから、早く言っちまえよ」
「何を、言ってるんだ……?」
「お前の秘密も……抱えてるもんも…、全部受け止めてやるから、」
「そ、うご………?」
「それとも、俺ァそんなに、信用できねェか……?」

こんな、弱い声色の隊長は初めてだった。

何を言っているのかは、もう全然理解できていないのだけれども。

「A………、早く、好きって、言えよ……。俺ァ……Aが、す……き、だから……」

それを最後に寝息を立て始めた隊長に、私の意識は困惑したまま停止していた。



……色々、理解が追いついていない。
ちょっと待って、本当に待って。
まるで、隊長は私の気持ちを知っているかのような、そんな口ぶりじゃなかったか…?
いやそもそも隊長、す、好きって言わなかったか?

ちょっと待ってこれは夢?

けれど隊長の体温とか、流れる汗の感じとか、心臓の鼓動とか。
全てがこれは現実だと伝えてきていて。

……………ああ、気絶したい。

145、決意(別視点)→←143、医療行為(別視点)



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からし(プロフ) - 猫とやぎさん» コメント有り難うございます!勉強大変だと思いますがその活力にこの小説がなれるなら嬉しいです^ - ^ 続編はもう公開してますから空いた時間にでも見に来てくださいね! (2020年5月19日 17時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
猫とやぎ(プロフ) - コメント失礼します!!学校が始まり…帰ってくれば塾…と占ツクあんまり見れてなくて死にそうになってたんですけど、この小説見た瞬間生き返りました…!!続編とても楽しみです!!!頑張ってください!!超楽しみにしてます!! (2020年5月19日 15時) (レス) id: 497823dae0 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 常夏さん» コメント有り難うございます!楽しんでいただけているのなら何よりです!是非続編も宜しくお願いします^ - ^ (2020年5月18日 19時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - いつもキュンキュンして楽しませてもらってます! 続編も楽しみです(^^) (2020年5月18日 12時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
からし(プロフ) - 猫とやぎさん» 猫とやぎさん、感想をいつもありがとうございます!無事しっかりさせたようで良かったです^ - ^ 明日は更新できない可能性があって今日多めに投稿しましたが、明日も一話くらいはあげられるよう頑張りますね!また見にきてください(*^ω^*) (2020年5月16日 22時) (レス) id: 926dbf1062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:からし | 作成日時:2020年5月6日 21時

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