くすり(紫) (ページ25)

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春。卒業式。

あの日の昼休みから元の感じに戻れた私たちは相変わらずの関係で。

とはいってもあのあとすぐに自由登校になってほぼ登校してなかったから、あんまり会っていないようなものなんだけど。

「A〜〜〜〜〜〜」

『愛美………』

ふっかとは同じ大学だけど専門にいく愛美とは離れ離れになる。

「…寂しくなるね」

『月1くらいで会おうよ』

「うん…ふっかとなんかあったら絶対教えてね？」

それには苦笑いで頷き返す。

愛美とはなんだかんだずっと仲良しだったからやっぱり寂しい。

「ね、写真撮ろ」

って2人で写真撮ってたら、俺らも混ぜて！って佐久間くんの声。そして後ろにはふっかも。

『じゃあ行くよ？はい、ちー…ってふっか変顔しないでよ』

「してねえわ！これが普通の顔だよ！」

いつものふっかのツッコミが決まったところでシャッターを押す。

「え、今押したの、！？」

『うん、やっぱり笑顔かなって。ほらみんないい顔してる』

そう言って4人で写真を覗けば、みんな楽しそうな笑顔で。

「いい感じじゃん」

『でしょ？まあでも普通のも撮ろ！いくよ〜、はいちーず！』

来年の今頃はどんな感じなのかな。

どんな形でもいいから、ふっかの隣で笑えてたらいいな。

「ふっかうるさい！」

「いや、佐久間冷たい！」

「あはは…！」

ちょっと感傷に浸りながらまたその輪に混じった。