くすり(紫) (ページ23)

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新学期。

あの日家に帰ってやる気もなくなりソファーに突っ伏してそのまま寝た私。

起きたらふっかから

「ほんとにごめん」

「風邪引いてない？こんなこと言える立場じゃないけど」

「ごめんな」

って連絡が来てたけど、返す気にもならなくて既読だけつけた。

後日案の定風邪引いたから、ふっかどころか友達とも会わずそのまま今日を迎えてしまった。

もう風邪はすっかり治ってるんだけど…

どうしよう。めちゃめちゃ気まずい。

教室を入るのが何となく億劫で、それでも意を決してドアを開ける。

「…！A！あの日はほんとごめん」

教室に入る私の姿を見つけるなり、開口一番にそう言われる。

『別にいいよ。なんか理由あったんでしょ？気にしてないから』

なんて口先では言うけど、ふっかはなんで来れなかったのかは一切言ってくれなかった。

普通の遊びをすっぽかされたなら『なんなの！？』って軽く怒って終わったかもしれない。

でもクリスマスにドタキャンされたってことは…なんてぐるぐる考えているとどうしても素っ気ない態度になってしまって。

その後もなんとなく気まずくていつものやり取りは出来なくなっちゃった。

そうやって過ごしてるうちに担任の気まぐれでまた行われた席替え。

2回続いたから…なんて思いも虚しく、ふっかとは席が離れ離れになった。

ほんとにふっかとは距離が空いて気づけばほぼしゃべらなくなってて。

ふっかが隣にいないってだけでこんなにも胸にぽっかりと穴が空いた感じがするのはなんでなんだろ。

…今日も、窓を見上げれば雪が降ってる。