くすり(紫) (ページ18)

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『…やった！受かってた！』

受験から数週間後。

家で合格通知を見た私は親と愛美に報告を終えて、深呼吸してスマホを持つ。

『ふっか大丈夫かな…』

どうだった？とLINEを送ると、すぐにかかってきた電話。

『え！？電話！？』

今までふっかと電話したことなんてなかったから思わず構えてしまって。

でもこのまま放っておくわけにもいかないから恐る恐る着信に出る。

『…もしもし？どうだった？』

「…それがさ………」

え、なに、めちゃめちゃ暗いんだけど。

まさか落ちた？え、指定校ってまず落ちないんじゃなかったの？

「なんと………受かってました〜〜〜！！！！」

『は、もう、なに……びっくりするじゃんやめてよ……』

びっくりしたあ、びっくりしすぎて心臓止まるかと思ったくらい。

ほんとそういうの良くないよ。全然よくない。

「いやごめん、1回やって見たかったんだよねこれ」

『はあほんと心臓止まるかと思ったじゃん！なんて声かけようかとか思っちゃったじゃん！』

責める私に、悪びれなくごめんごめんと笑ってるふっか。

「なに？そんなに俺と同じとこ行きたかったの？」

『いや…別に…そういう訳じゃないけど…』

図星をつかれて思わず口ごもる。

そりゃ行きたいよ同じとこ。

なんて素直に言えないけど。

あ〜、でもほんとよかった。安心したあ…

「俺卒業したら真っ先に金髪にしようかな」

『ええ、大学デビューってやつ？やめときなよ不良だと思われるよ』

「え〜、かっこいいと思うんだけどなあ…」