【ヒロアカ】光速、遠回り【相澤消太】 (ページ8)

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病院で検査の結果をもらい、それを片手にヒーロー公安委員会のあるビルへと向かった。

アポ無しで会長と面会なんてのは、さすがに厳しかったかなぁ。

エントランスで長いこと待たされながらボーっとしてると、見知った羽根が見えた。

「おつかれー、ホークス」

「･･････はぁ？」

「相変わらず良いヒゲしてるね」

口を開いてマヌケな顔をする後輩にニッコリ微笑む。

「フラッシュさん、心配してたんですよ。生きてんなら連絡してくださいって」

「帰還したの昨日だし、見ての通り若返っちゃってさ」

肩をすくめれば、ホークスはいつもの愛想笑いで返すと思った。
けれど、彼は辛そうに眉尻を下げた。

「無理して笑わんでください。話なら聞きますよ」

そう言って横に腰掛けてくるから不覚にもキュンとしてしまった。

「ううん、いいの･･･死ななかっただけ運良いから。大丈夫」

話しながら、何だか泣けてきて、バレないように短く言葉を切った。
だんだんと実感してくる事実に心に空いた穴の大きさを知った。

「じゃあね、ホークス。がんばって」

「はい。フラッシュさんもまた･･･いつでも話聞きますから」

赤い羽を広げると、彼は窓から外へと飛び立って行った。

＿＿＿
＿＿＿

「･･････わかりました」

陽が傾いてきた頃、ようやく会長と面会ができた。
病院での結果等の報告を終え、一呼吸ついたところ、会長はゆっくりと組んだ手を解いた。

「では、フラッシュ･･････
＿＿＿あなたのヒーロー免許を一時的に停止します」

ゴクリと唾を飲む。
しゃくりあげそうなのを必死に表情筋を固めて、無表情を装う。

「しかし、あなたの力はこの社会に必要不可欠なものです。知っての通り、オールマイトのヒーロー生命もそう長くはない」

唇をかみしめて、会長の言葉を聞く。

「ヒーロー育成の最高峰、雄英高校に掛け合っておきます。訓練し直して、なるべく早く復帰なさい」

「････････････はい」

私は、ヒーローの卵に逆戻りだ。
そして今度は＿＿＿白雲君はいない。

地平線を燃やすような太陽の赤々とした光を受け、目を細めた。