ペンダントの魔法【stpr】［5］

episode10 ページ38

Aside





ずっとずっと、手が震える






冷や汗が首をつー…っと垂れる








嫌な予感がしてたまらない。










この手紙…この言葉遣い








“あいつだ”






「…ぁ…う…、そ…」









この家には私1人なのがわかる






気配なんて感じない







？？「1人じゃないけどね」







「…っ…！！？…はっ…」










ﾄﾞｸ､ﾄﾞｸ…ﾄﾞｸﾄﾞｸ










後ろ、誰かいる







気配が…圧が強い。振り向けない







冷や汗がダラダラと出てくる







？？「…僕だって、気づいた？手紙を見て」






「…ぁ…っ…」








…声が、出ない…







あぁ、よく聞くやつか







本当に怖い時ほど、声が出ない。叫んで、助けを呼べない








？？「……気づいたっぽいね。だって、手紙…投げ捨ててたもんねw」







…！？そこ、も…全部見られてた…？








？？「君の大切な人は僕が預かってるんだ。…助けたいなら、昔の君とは違うって所見せに来てよ。






……仲間に頼ってもいいけどさ…それ、本当に君が強くなったって言えるのかな？」









「…！！！」








？？「…場所は君にとって思い出深い所。じゃあね、待ってるよ？…強くなった君を」








どさっ






「…はっ、はっ…」








…っ…最初から、頼る気なんてなかった







……そう言えたら、楽なのにな







強がって、これは自分の問題だからって…ずっと、1人で解決したいと思ってた







1人で解決しようって、思ってた







でも…、でもっ…







後ろあいつがいるってわかっただけで、恐怖で声が出なかった







足が凍ったように動かなくて、手も震えて…







1人で行けない…行けないと、思ってしまった









『……仲間に頼ってもいいけどさ…それ、本当に君が強くなったって言えるのかな？』









…あいつが求めるのは、強くなった私






遠回しに、1人で来いって言ってるようなものだ







「……っ…ぅ…ぐすっ…」






涙が溢れる







怖い、行きたくない






頼りたい、







でも…








…1人で行かなきゃ、…また失うから






だから…怖くても、行きたくなくても






「…私、が…1人でっ、やるんだ」








沢山我慢をすれば、きっと…いい未来が待ってるはずだから

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