最弱＝最強【stpr】

story29 ページ30

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ



「はぁ…はぁ…」





母「もうちょっと…もうちょっとだけ頑張りなさい…！」





外に出れば大丈夫だってお父さんが言ってた






ここで捕まったら死ぬかもしれない。もっともっと酷い実験をされるかもしれない






そう思うと怖くて怖くて仕方なかった、だから絶対に捕まらないように必死で走った





だけど…ー





ｳｰｳｰｳｰ！




「！？(警報…！？)」





突然、警報が鳴った。嫌な予感しかしなかった






父「っ…！走るぞ！」





ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ




「…！(外だ…！外への扉…！)」






目の前に外につながる扉があった。これで大丈夫っ…！そう思った時だった






研究員「いたぞー！！捕まえろ！」





「っ…！！？」





追いつかれた…！





捕まる…っ！





母「水の誓い…！」





父「水竜剣！」





「…！お母さん…お父さん…！？」





母「逃げなさいっ！あなただけでも…！」






姉「っ…A、いくよ！」





研究員「させるか！」ﾊﾞｯ





姉「ぅあ゛…！？」





「っ…お姉ちゃん…！？」





兄「A…！」ｶﾞﾊﾞｯ




ﾄﾞｶｯﾄﾞｶｯ




「…！お、お兄ちゃん…！！」




目の前で家族が傷だらけになるのを見た




研究員「あそこにも、一人いるぞ！」




「！！」





今度は私が狙われる…捕まる…






母「A…！逃げてっ…！」





「っ！」





ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ





私は迷った。だって、家族だけ捕まってて私だけ逃げるなんて…そんなことしたくなかった






けど…けど…！お母さん達は私だけでも逃すために…頑張ってくれた…






私はそのお母さん達が私を逃すために繋いでくれたものを無駄にはしたくなかった





私はそのまま、研究所から逃げることができた

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