最初で最後の貴方【皆木綴】

28話 ページ28

スズとランが待っている部屋に行くと
そこには瑠璃川くんもいた

｢あれ？瑠璃川くんどうしたの？｣

｢衣装とかの見学させてもらってる

あっ着替えるなら外出るけど｣

｢幸くんそれは大丈夫､それよりこの衣装はどう思うか教えてくれ

Aその隅のスペースでこれに着替えろ｣

ランが瑠璃川くんと見ているのはランの作った衣装の写真を集めたアルバム

瑠璃川くんも衣装係だから話が合うんだろうな

ランが真剣そうに瑠璃川くんの話を聞いているのをみてから簡易的に作ってある着替えスペースに入るとそこにはスズがいた

｢化粧もここでするの？｣

｢ううんメイクは机のとこでやるよ
衣装を着るお手伝いとして一応いるだけ｣

｢なるほどね｣

渡された衣装をスズに手伝ってもらいながら着る

｢すごい清楚な感じだね｣

スズが着替え終わった私の周りを1周しながらそう呟いた

｢色合いから優しい感じする｣

｢うんわかる...よしっ決まった
A！メイクするから移動して！｣

机の前の椅子に座るとランに衣装のチェックをしてもらう

｢キツイところとか緩いところはない？｣

｢大丈夫丁度いいよ｣

｢なら良かった､靴はこれでアクセはこの中からメイク終わったらスズと選んでくれ｣

シルバーのブレスレット
ピンクゴールドのネックレス
シンプルな紫色の小さな石のついたピアス
鍵の飾りのついたチョーカー

シンプルなデザインのものが揃えられていて
どんなメイクにも合いやすいものを選んだようだ

｢分かった｣

ランは私の返事を聞くと机にアクセサリーを置きスズと入れ替わった

｢んじゃあメイク始めるよー｣

｢よろしく｣

タオルをかけて目を閉じる

スズの指示に従いながらされるがままになる

｢よし目開けて｣

その声でメイクが終わったことが分かった

目を開けると目の前には姿見が用意してあったので
タオルをとって立ち上がり全身のチェックをする

｢うわぁアンタすごい変わるね詐欺じゃん｣

横から見ていた瑠璃川くんの感想に思わず笑ってしまいながら｢ありがとう｣と返す

｢うちの子可愛くなるでしょ？｣

スズがアクセサリーを私につけながら瑠璃川くんに問うと｢別人レベル｣と真剣な表情で答えられた

｢ふーん､アンタってメイクと衣装でこんなに変われるんだね｣

なにか考えるような仕草のあと瑠璃川くんがニヤリと笑う

｢ねぇ今度アンタの服私にも作らせて｣

｢え？いいの？｣

｢こっちが聞いてるんだけど｣

｢ぜひ！お願いしたいな｣

｢うん｣

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