最初で最後の貴方【皆木綴】

26話 ページ26

トモと2階に集まっている皆さんのところに行く

トモに責任者は誰？と聞かれたのでとりあえず
監督のいづみさんといづみさんと何か話をしていた古市さんを指す

ちょうど2人が揃っていて良かった

そう思っているとオケと返事をしたトモは名刺を出しながら2人に近づきつつ周りにいた
劇団員の方達に目を向けた

｢こんにちはストライキの主に編集担当をしてますトモと申します

MANKAIカンパニーの皆様はじめまして

今日はご協力ありがとうございます

ぜひ宜しければこれからもお力を貸していただきたいと思っておりますので

どうぞよろしくお願いします｣

名刺をいづみさんと古市さんに渡して頭を下げる

トモが｢イトも挨拶！｣と言うのでなんとなく照れくさいが自分も名刺を出してトモの隣に行く

｢えっとストライキの主にモデルを担当してます
知ってると思いますけど桜多Aです
モデルネームはイトと言います...って
これやっぱいらなくない？｣

｢何言ってんの！ストライキのメインはイトなんだからイトとしてもちゃんと挨拶しないと｣

じゃあ私は監督さんと古市さんと話があるから
そう言うと荷物を私に渡してトモは2人と談話室に行ってしまった

｢もう...自由だなぁ｣

思わずため息をつきながら渡された荷物の中を見る

大きな紙袋の中身は雑誌とDVDがこれでもかというほど詰められていて
全てが私たちストライキが関係してる物だった

あー昨日用意しといてって言ったやつか

紙袋を端に寄せて置く

摂津くんの準備ができるまで私は暇だから誉さんとお話しに行こ

冬組の皆さんといる誉さんの近くに行くと誉さんの方から手招きをしてくれた

｢Aくんは準備はしないのかい？｣

｢はい､今は摂津くんの準備中なので私は順番待ちです｣

｢なるほど撮影というのは準備に時間がかかりそうだね｣

｢そうですね､結構かかる時もありますけど
今日はさほど時間はかからないと思いますよ｣

｢今日はどんな撮影なのかな？｣

｢確かテーマがあるんだろ？｣

誉さんと話していると雪白さんと高遠さんが私に気づいたようで問いかけてきた

｢カメラ部から指定されたテーマは[美]という
幅の広いものだったので
そこから伏見先輩の指定の[自然]という
キーワードをもとに撮ることになってます｣

｢それでなんで摂津と撮ることになったんだ？
桜多だけでもよかっただろ？｣

｢[美]を恋と変換したので相手役が必要だったんです

自然と美しい恋を合わせるのが今日のテーマです｣

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