［完結済］學幽譚【wrwrd！】【zm】 (ページ18)

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18話ページ18

Aside

「そろそろ、この悪夢の世界が壊れるわ」

すると、霊の後ろの壁がガラスのように割れて、道ができる。

僕とゾムの体は勝手に走っていた。

無我夢中だった。壊れる前に、出ないといけない。

それ一心だった。

ゾムと手を繋いで、転けそうになりながらも、走っていく。

zm「大丈夫か！」

「うん、大丈夫」

走りすぎて、上下左右の感覚もわからなくなってきた。

壊れ切る前に、ここから早く出ないといけない、だから、ひたすらに走っていた
そしたら、上に行ってる気がした。

呻き声みたいなのが聞こえる

上には赤い文字が黒い霧友達一緒になってある

zm「A！目を閉じろ！」

ゾムがそう言うので、目閉じた。

すると、包み込まれるように抱きしめられ、ゾムの緊迫した早い鼓動が聞こえる。

そして、最後に聞こえたのは
僕らを嘲るような笑い声だった。
あの声は、黒霧様だったのだろうか。

そこで、僕らの意識は途絶えた気がする。

「黒霧町、クロキリチョウ。終点です。お忘れ物のないようご注意ください」

黒霧町に来た時に聞こえた、運転手の声。

目を開けると、外に出ていて明るくなっていた。

日付が変わったのか？良かった週末で、良かった、親に泊まるって伝えといて。

zm「…終わったのか？」

少し進んでみると、あの学校に着いた。その付近には、おじいさんがいる。

ほとほとに疲れた体を動かし、話を聞きに行った。

「すみません…」

声をかけると

「こんな田舎町に何か用かね？」

と優しい笑顔で返してくれた。

「小説読んで…ここに来たんですけど」

そういうと

「あぁ、あの小説の読書さんかい」

そして昔を懐かしむように話し出す

「実はあの作者は私の教え子達でねぇ」

教え子達？

あの作者はひとりじゃないのか？

zm「…複数おるんか？」

ゾムがそう聞くと

「あぁ、あの小説は金町さんと幹瀬さんの二人(・・)で書いた小説なんだよ」

二人で書いた、二人が主人公の物語だったんだ。

「最近もちょっと顔を見せてくれたけども、今でも二人とも仲が良さそうだったよ」

良かった、二人とも生きてるんだ。それに親友のままなんだ。

良かった。

心の底から安心できた。

zm「…あー、疲れた、俺らも帰るか」

確かに疲れた、そうやなと言い、おじいさんに感謝を言って帰ろうとした

「…君たちも、仲がいいねぇ」

と微笑ましく僕らに言うおじいさん

「「親友なんで」」

声を重ねて、笑いながら言った。