［完結済］學幽譚【wrwrd！】【zm】 (ページ17)

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17話ページ17

Aside

「あの子の名を、私の親友の名を」

そう彼女の声が聞こえた。

どっちだ、ユウコかレイナ。

分からない。

不確定要素が多すぎる

zm「…どうすればいいんだ」

ゾムから聞いた話として、目の前の子は感情的になっている。

いじめられて、親友を先に、失い、絶望した。

先に来たのが、レイナなら、目の前の子は、ユウコだということか。

zm「…そういえば、小説の一文って変な感じだったって気になってたよな」

ゾムが不意にそんなことを言う

zm「それと何か関係あんのかなぁ」

…確か”それを知る人は彼女たちの世界に居たのだろうか。”

それを知る人。

…つまりは第三者。

誰だ？

ユウコとレイナ以外の人間。

可能性があるとすれば

「…黒霧様…そして…作者の…」

六薪里沙。

いや、彼女の名前を問われている今、第三者は関係ないのか？

考えすぎで苛立ちそうになりながらもの最適な言葉を探す。

zm「…そういえば、黒霧様と六薪里沙って面白いな」

またもやそんなことを言うゾム。

急になんなのかと思っていると

zm「だって、六薪里沙って入れ替えると黒霧様になるんだぜ？」

と僕の苛立つ気を少しでも紛らわせようかとしているのか、頭を撫でて言う

zm「俺そんなに頭良くねぇから、謎解きとかわからねぇけど、難しく考えんなって、大丈夫だから」

絶対、二人で出られるから

そう微笑んで言うゾム。

少し気が紛れた。そして、ゾムが言ったことに、ピンと来た

「…アナグラムだ…」

zm「…アナグラム…？」

ゾムが言った通り、

六薪里沙は平仮名にすると

ろくまきりさ

それを入れ替えると。

くろきりさま

つまりは、黒霧様

それを知るもの。

つまりは作者であり、この世界にいるもう一人の人物…？神様…か

この世界を作ったのも、願った二人ではなく、それを行った、黒霧様。

「…黒霧様。あなたが、この世界を作ったんですよね」

彼女に向けて言うと、軽く笑って

「…なーんだ、知ってたのか」

それを聞いたゾムは

zm「…まじかよ…」

と呟いた。

「私とレイナのお遊びもここまでね」

僕らは勘違いしていた、レイナとユウコによって作られた世界なのだと。
違った、レイナと黒霧様によって作られてたんだ

「そうよ、私達は存在しない、どこにもいない、小説と同じように、ここはフィクションの世界」

全てが嘘の世界…

「さぁ、目を覚ましなさい」

目の前の、ユウコの姿をした黒霧様がニヤリと笑う