［完結済］學幽譚【wrwrd！】【zm】 (ページ12)

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12話ページ12

Aside

彼女がいる教室に戻って、彼女にメモを渡した。

「これは…メモみたいですね」

うん、メモだよ。

「ここにあるってことは大切なもののはず…」

やっぱりまだ記憶が戻らない様子

「私がこれを読んでいる間に、あなた達は黒霧様が持っている、記憶を見てきていただけませんか？」

おー、黒霧様が何かわからないけど、もしかしたらあの能面のバケモンかな…

いや、どうやったら記憶って見れるん

「黒霧様は私から奪った記憶を持っています、その記憶を見ることが出来れば、ここから出られるかもしれません」

この子はゾムがあったって言う子より僕らに協力的なんだな…

「…確証はないんだけど、何となくそう思うんです」

まぁ、こうなったら勘でも何でも動かなきゃ先には進めないだろうからな…

「…方法は？」

記憶の見方を問うと

「黒霧様の背後から、この学校にある物を手に持って近づけば、学校に関係した記憶の断片が見られると思います…」

学校にあるもの？

僕らが持ってるのは、美術室にあったフラスコと、図書室にあった上靴…かな。

そういえば、この教室にもダンボールあるけど、見てなかったな、

「ゾム、そこのダンボール見てくれん？」

と頼んでみるとわかったと言い、僕から燭台を受け取ってダンボールの中を見に行く、

zm「…鉛筆があるで」

と小学生の頃よく見ていた鉛筆を手に持つゾム、

懐かしいな…今シャーペンしか使わないし…

あ、そういえば

「能面の黒い霧状のやついるけど、あれはなんなの？」

と彼女に聞いてみ

「黒霧様という古くから伝わる伝承で、神様のようなものです」

おー、さっきまでバケモンだって内心言ってたな。

「黒霧様にお願いをするとそれに見合ったものを失う代わりに叶えてくれます」

…ということは彼女は黒霧様にお願いして記憶をなくした、なんの願い事だ？

名前に関しては、学校という場所にして欲しいという願いごとを叶えて無くしたってことは聞いたけど。

彼女は他に何を願ったんだ？

「失うものは体だったり、記憶だったり、名前だったり…」

とてつもなく怖いな。
記憶や名前ならまだしも、体まで失うってなると怖気付く。

「私もいくつかお願いを叶えてもらったんでしょうけど、何を願ったのかさえも忘れてしまいました…」

…それで良かったのか？

とでかかった言葉を何とか抑え込み、話を聞く