［完結済］學幽譚【wrwrd！】【zm】 (ページ1)

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1話ページ1

僕は、とある小説のファンだ。

だが、ファンと言っても物語が大好きというわけではない。

この小説、『學幽譚』は二人の少女が学校に似た謎の世界で、必死に二人で化物から逃げまどうという話だ。

少女たちの名前は、ミキセ-ユウコとカナマチ-レイナ。

この二人はすでに死んでいるのだが、それが記憶から抜け落ちており

自分たちは生きているものだとして、物語が進んでいく。

そんな物語なのだが、物語の最後の文が

『それを知る人は彼女たちの世界に居たのだろうか。』

という不思議な一文で終わっている。

登場人物は二人だけのはずなのに。

この世界とは何を表しているのか、最後の文の作者の意図は何だったのかと、ずっと考える日々が続いていた。

「なんで、こんな文で終わってるんだろ…」

登場人物は二人だけという物語はどういう物語なのかと興味が湧いてこの小説を読み始めたたのだけど、

最後のこの文に引っ掛かりを持ち、ずっと読み返している

でも、話を読んでいても、ただ二人の少女が怪異から逃げている話だった。

もしかしたら作者が題材にした「黒霧町」という場所が、答えのヒントになるかもしれない

そう思い立ち、舞台になった学校へ行こうかと考えていた

この小説の作者は六薪里沙。

そしてネット上では、二人の少女がそれぞれ作者の善と悪を表しているという話もある。

果たしてそうなのかという確証を得るためにも、

そんなことを考えていると

zm「Aー？またその小説読んでるん？」

とゾムがやってきた

ゾムとは仲がいい友達で、よく話していた。

「あー、うん。今からさ舞台になった学校行こうかなって…」

そうつぶやくと何言ってんのと肩を掴まれる

zm「一人で行くきか？」

そう聞かれるので

「いやぁ…どうしようかなって…」

別に一人で行ってもいいんだけど。本音を言えばこの時間帯から黒霧町って着いた頃にはもう真っ暗よ。

怖いじゃん！！！

でも気になるし…

そうもごもごと考えていると

zm「…しゃーない、Aのことやからどうせ、興味が湧いてんやろ、ついてったる」

と言ってくれる、まじか！！と喜んでいると

zm「でも！絶対俺の傍から離れんなよ」

ゾムの心配性が発動した

行けるんやったら別にええんやけど

「わかった」

こうして僕らは黒霧町に向かった。

あ、ちゃんと親には友達の家に泊まりに行くって言ったよ、そしたらなんて返ってきたと思う？

「お友達によろしくお願いね」

優しい親だよね