【d!】無口な僕と彼ら〔3〕

107 ページ16

チーノside

借り物競争の男子の3年生と2年生が終わって、1年生の番になる。

俺は第2走者なので、1走者目の人を見ていた。

お題を確認して、人を探しに行く。

…競技の名前借り人競走でいいんじゃないかな。

てかその方がしっくり来るんやと思うんやけど。

そう思いながら眺めていると、お題に合った人を見つけた人から放送部のところに確認しに行く

「えー、お題は、お世話になってる人！」

とおだいを読み上げられるから、下手なお題は選べないよなぁ。

まぁ、走って確認するまで分からないんですけどね。

まぁ、頑張らなくちゃいけませんよね、先輩パワーも貰ったので！

いやぁー、ゾムさんたちの気持ちがよく分かりますよぉ。A先輩は可愛いし癒しになる。

薄くて小さい唇に、気だるげな目。

男子っぽくボーイッシュショートな髪型。

全部に癒されます。

たしかに男の子っぽいかもしれませんが、俺はあれなんで…。

先輩のファーストキスを頂いてるので。

いやぁ、思い出した時はませてるとかむっちゃ焦ったけど、今考えると昔の俺ようやったわぁ！

こんなことゾムさんたちに言ったら今度こそタダじゃ済まされなさそうやけど。

なんて思っていたら第2走者の番がやってきた！

いやぁ、ショッピくんや死神くんの為にも頑張らないとなぁ。

そういえば、同じクラスに歩美さんいるけど、なんだか嘘くさいって言うか。裏がありそうだと言うか。

騙すことが得意な俺にとったらバレてますけどね。

何かことを起こさなければいいんだけど…

そんなことを考えていたら

「位置について」

と合図が出る。

あかんあかん、集中せな。

「よーいドン！」

スターターの音と共に走り出す。

お題をとって確認してみると

"仲のいい異性"

おっとぉ、これはショッピくんや死神くん誘えませんね、死神くんワンチャンあるけど…無理やな。

さすがに。

となると、先輩。

そしたら直央先輩か、A先輩なんだよなぁ。

直央先輩は仕事はないから自分のクラスのところにいるだろうけど…

A先輩の方が近いし、場所決まってるから駆けつけやすいんだよなぁ。

よし、A先輩にしよ

と俺は急いでA先輩のところに行き

ci「先輩、俺と走ってください！」

と言うと、頷いてくれるので、そのまま手を繋いで一緒に走る。

2年生の女子から歓声が聞こえるのは、先輩も俺も結構お似合ってことだろうか。

108→←106

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す