第二十二話[ポートマフィアの狗] ページ25
拙い、あの男が来る
「我が主の為_____
此処で死んで頂きます」
樋口はなんと連射可能の短機関銃を取り出した
兄を庇おうとするナオミちゃんが見えた途端
私は既に動いていた
どんな相手でも、
例えそれが短機関銃であっても
銃の弾は
『させないっ!
異能力___[AnotherLost]』
白い文字が浮かび光に包まれる
樋口が撃った弾は全て私の目の前で消えてゆく
「なにっ」
『探偵社員を傷つけることは許さない
さぁ.........来なよ?』
私は何処か興奮していた
人を消してしまう恐れのある私の異能
今まで使うのが怖かった
然し相手は唯の短機関銃
『消してやるッ』
「このっ」
ヤケになった樋口がもう一度乱射しようとした時だった
ゴホッゴホッ
「ぐッ...あ"...」
「ゔッ......」
『......え?』
私の後ろに居た谷崎さんとナオミちゃんが
ゴホッゴホッ
咳の正体
『......芥川 龍之介、』
「死を惧れよ
殺しを惧れよ
死を望む者」
血の気が失せていくのが分かる
国木田さんが遭ったら逃げろと云うのも
納得がいった
「等しく死に望まるるが故に_____ゴホッ」
此奴は間違いなくこの世の"黒"だ
「お初にお目にかかる
そこな小娘と同じく
卑しきポートマフィアの狗___」
足が竦む
しかし逃げる訳にはいかない
「芥川先輩
ご自愛を_____
此処は私一人でも」
次の瞬間樋口は芥川に殴られていた
「ッ!」
「人虎と消滅の小娘は生け捕りとの命の筈
片端から撃ち殺してどうする
役立たずめ」
「___済みません」
さっきからコイツは何を云っているんだ___
「人虎......?
消滅の小娘......って?
生け捕り......?
あんたたち一体」
「元より
貴様、そしてそこの消滅の小娘の二人のみ、
そこに転がるお仲間は___」
真逆、此奴ッ
『関係の無い社員を巻き添えにしたのかッ!』
「然り」
なんて事だ
敦も私も、
ポートマフィアに狙われていたなんて
_____一体何故...?
「特に人虎、貴様は
敦の顔色が失せていく
過去に関係があるのだろうか
ただ此奴の云うことには納得がいかなかった
『何故お前にそんな事が分かるッ』
既に私は口走っていた
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:蒼花 | 作成日時:2019年5月23日 18時