消滅少女は何を想う【文豪ストレイドッグス】 (ページ19)

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第十六話［誰かの役に立てるなら］ページ19

『敦ｯ!?』

敦は爆風を抑えようと爆弾に覆い被さっていた

「何をやっているｯ!」

そんな無茶な...
...待てよ、爆風を抑える......？

"爆風"

動く物(・・・)だ。

気づいた時には
私は敦から爆弾を奪い取っていた

『貸してｯ!』

「Aちゃん!?」

『爆風ならｯ……消せる(・・・)ｯ!』

そう簡単に死なない私でも
これなら致命傷くらい負うはず、
其れを覚悟した

「莫迦ｯ!」

太宰が叫んだのを聴いて
私は目を瞑った

然し爆発は怒らなかった

「......爆発しない？」

『.........真逆、』

嗚呼最悪だ騙された(・・・・)

『太宰ィ...アンタ騙したなァ？』

「否ァ...許して？」

『私の労力を返せｯ!』

お陰で喋らなくてもいい事まで喋る羽目に
なったじゃないか！

「ああーん兄様ぁ！大丈夫でしたかぁぁ!?」

「痛だっ!?」

待った何か始まったぞ
気持ち悪いやつ←

「いい痛い痛いよナオミ折れる折れる
って云うか折れたァ！」

ギャアギャア五月蝿い...

「.........へ？」

あ、敦が状況を理解出来てない。←

「小僧、それにそこのお前も、
恨むなら太宰を恨め、若しくは
仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」

『あーもう、、』

「そう云うことだよ敦君、Aちゃん
つまりこれは一種の＿＿＿＿＿

入社試験だね」

『嘘つけこんな物騒な入社試験あるものか』

「ここにあるよ？」

『チッ』

「入社...............試験？」

「その通りだ」

『！』

突然聞こえてきた其の声に私は少したじろいだ

武装探偵社探偵社社長
福沢諭吉＿＿＿＿＿
能力名［人上人不造］

「社長」

「『しゃっ、社長!?』」

この人がこの異能力集団の長...

「そこの太宰めが
「有能な若者と娘が居る」と云うゆえ
その魂の真贋試させて貰った」

うわ、マジか、

「君たちを社員に推薦したのだけど
如何せん敦君は区の災害指定猛獣だ
Aちゃんはなんと戸籍が無いと来た

保護するべきか社内で揉めてね」

『げっ』

調べたのかよ

「で、社長の一声でこうなったと。」

「で社長......結果は？」

ゴクッ
私は息を飲んだ

社長は私達を見つめる
私を見た時に口を開きかけていたが
閉じてしまった

「...太宰に一任する」

といって奥の部屋に戻っていった

一任する、って事は...

「二人とも合格だってさ

武装探偵社へようこそ」

『............はぁ、』

私はまた、ため息をつく