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翌日。準々決勝フランス戦当日。選手たちも心做しか緊張してるように見える。
「あっ皇さ、すーちゃん!昨日はありがとう。…一応聞くけど、それ王子大丈夫?」
『助言が役に立ったようで良かった。あ、これ?大丈夫よ!これくらいでどうにかなるぐらいなら今頃居ないわよ』
「何処に?」
『この世に』
「おぉ…」
『そんなことより、今回は私がオーダーを組んだわ。君にとっての最良のパートナーを選んだの。頑張って』
「ほな頑張るわ、応援してな。」
『平等院がふんどしで応援するって。』
「え?」
『嘘よ』
「嘘かい!」
『ふふふ』
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第1試合ダブルス2
『あらやだ奥さん聞きました?イケメンとパリコレですって』
「あだ名が素直すぎるわ。うちのキミ様の方が何百倍もイケメンよ!行ったれーキミ様ー!」
『きゃーきみさまー』
「うるさいですよ2人とも。」
『はーい』
「はーいキミ様」
ダブルスには君島と白石が出た。イケメンとイケメンの対決なので、会場は大盛り上がりだ。熱気がこちらまで伝わってくる。
2-0
『スターバイブル…面白いわね。良い、流石私が助言しただけある〜』
「珍しいな」
『跡部』
「お前が純粋に人を褒めるなんてな。なんかいいことでもあったか?」
『人をクレーマーみたいに言わないで。別に、なんも無いし。まぁ特別に許してあげる。今日はそーゆー気分なの』
「…ご機嫌だな、女王」
『私をそんな風に呼ぶのはお前だけよ。王様?…黙って次の試合でも見ましょう?』
次の試合、ダブルス1は寿三郎と柳蓮二が出た。結果は2-1で勝利だった。ギスギスとした空気も治ったようで、心做しかスッキリしたように見える。
〈トラブルがあったため、少し時間を遅らせます。お手数をお掛けしますが、暫くお待ちください…〉
『あら?』
次の試合が始まろうとした時、アナウンスが流れた。どうやらトラブルで遅れるらしい。
『ちょっと行ってくる』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『今はどうなってるの』
「貴方は?」
『大会関係者。ほらカードあるわよ。で、どうしたの?』
「今試合用の照明がつかなくなってしまい、復旧するのに1時間ほどかかるとの事で」
『1時間だったら足りるね。今すぐ音響と審判は準備して。あとフランス代表にも指示を』
「何を…?」
『私が1時間ほど繋げる。なに、試合をするだけよ』
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作者名:満天月 | 作成日時:2023年7月14日 19時