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『これは、アカデミーでもオーナーしか入ることの出来ない部屋のカードキーよ。』

「…もしかして買い取ったのかい?アカデミーを」

『そう。私は父の力を借りて、あのアカデミーの一時的な経営者となったわ』
『このことはQPや他のドイツ代表にも言わないでちょうだい。あの子たちに迷惑を掛けたくないの。』

「分かった。誰にも言わないと約束するよ」

『ありがとう。さぁ、本題に戻りましょうか』


あのオーナーは解雇になり、私はGTAの職員から彼に危害を与える恐れのある人物を割り出して全員解雇した。


「最近あの人たちを見なくなったんだけれど、何か知ってるかい?」

『…さあ?確かにあの人たち、どうなったのかしらね!まあいいんじゃない?あの人たち私達のことをよく思っていなかったみたいだから。』

「…確かに、一理あるね。」

『でしょう?そんなことよりも、次の試合の対戦相手はなかなかに強敵みたいよ。心してかかってちょうだい』

「そうだね、油断せずに行こう」


これで2人は仲良く暮らしましたとさめでたしめでたし…という訳にも行かなく、今度は日本に行くことになった。それを出発する4日前に知らされた私は、そのことを彼に伝えた。


「…また、会えるよね」

『あら、私がいなくなるから寂しいの〜?』

「違うから。君が他所で迷惑かけないか心配なだけだよ。寂しくない」

『あらやだ照れちゃって〜』

「…違うよ、寂しくないし…」

『えっあっごめん拗ねないで悪かった悪かったからよそで迷惑かけないから』

「…」

『ごめんってば〜許して?この私の可愛らしい顔に免じて!ね?』

「僕にそれは効かないよ。もう耐性がついたからね」

『嘘つけ私は知っているぞ、君の右手が親指を立てているのを』

「いや…妹のできる気持ちがわかったんだよ…」

『ちょっと何言ってるか分からない』

「ちょっと1回お兄ちゃんって言ってみてくれない?」

『無理だし…もういいから!行くよ?』

「…待って、最後に誓わせて」

『は?なに、』


彼の唇がが私の手の甲に触れる。


「僕の天使に、最大限の敬愛を込めて」

『…もう行くわよ』

「照れてる?」

『…照れてない!』

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作者名:満天月 | 作成日時:2023年7月14日 19時

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