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15年前、私はこの世に生まれた。
「…」
私の母は父を捨てて私を孤児院に入れた。
その孤児院は教会もやっていて、拾われた私は神と崇められそこで人々の願いを聞いていた。
「神よ…どうか私の娘をお助け下さい…」
ある日、私の元に女がやってきた。彼女は病気の娘を助けたいらしい。私はその願いを聞いて、彼女の家まで行った。
「ここに居るのが娘です。お医者様には治る見込みはないと言われました…あぁ神よ、どうか私の娘をお助けください…」
『…』
私が娘に向けて手をかざすと、たちまち蒼白だった顔は元の肌の色に戻り、荒い呼吸も落ち着いた。私は、幻覚を見せることの出来る力をもっていた。女は娘の病気が治ったと錯覚し、私に頭を下げた。
その数日後、案の定この力は噂となって周辺の地域を駆け巡り、教会には連日長蛇の列ができていた。
それを教会の神父は利用し、金を稼いでいた。そして愚かな私は人々の願いを全て聞き、それを幻覚として人々に見せていた。
「神様…私の罪をお許しください…」
「神様」
「神よ!」
人々の願いは肥大化し、私はついに手が回らなくなって、地に倒れた。人々はそんな私の姿を見て幻滅し、次第に教会には誰も寄り付かなくなった。
「お前があの時倒れたせいで誰も来なくなって俺の評判が落ちたんだぞ!お前のせいだ!恥を知りなさい!!」
神父は激怒した。私に暴行を加えた。
『(どうしよう、私のせいで…わたくしのせいでこうなってしまった…あぁ、)』
わたくしの、せいで
ううん。違う。私のせいじゃない。
憎い。わたくしを金目的で使った神父も、わたくしを倒れさせるまで願った俗物共も、わたくしをこんな風に創った神も。
すべて、にくい。
憎い
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!
お前たちのせいだ
し ね
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作者名:満天月 | 作成日時:2023年7月14日 19時