2話 ページ3
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「此奴!?此奴、って酷くね?!」
『え、えっあ、と……あ、赤、っ橋…』
咄嗟に振りかぶられたため驚きと恥ずかしさで吃ってしまう。
『赤橋Aでしゅ!!』
噛んだ。
『あぁ………////す、すみ、ま!せん…!
えっと……今日から、…今日、配属で…』
「あぁ、体操のお姉さんですか。Aさん、ですよね?
ママンとトゥギャザーでくまおをやっています。宜しくお願いします。」
改めて自己紹介をした熊谷さんが頭を下げる。きっちり90度だ。
『よ、宜しくお願いします…!』
「あ、俺兎原跳吉です!うさおくんです!連絡先交換しません?
いや、やましい意味じゃなくて仕事で!」
うさぎの手でスマホを握ったうさおさんがバーコードを差し出してきた。
が。熊谷さんに即座に回収され背中を押された。
「彼奴とは関わらなくて大丈夫です。
ここが生照君の楽屋です。」
蛇賀 生照様と書かれた部屋に入る。
気づけば後ろにいた熊谷さんはいなくなっていた。
『えっ、あ……く、熊谷さ…!』
「?」
此方を向く。
顔の整った男の人。
『え………っと…』
思わず言葉を失ってしまう。
何てったって顔がキラキラしているのだ。
一般で言う「イケメン」だろう。
早く終わらせないとこのキラキラオーラに圧倒されてしまう。
『赤橋A、新人体操のお姉さんです、これから宜しくお願いします!』
全て呼吸なしで言い切った。
ぜーはー、と息を荒げる。
よし、言い切った。
『で、ではっ…!失礼し………え?』
扉を出ようとすると腕を掴まれた。
振り向くと私よりも遥かに大きい池照さん。
『ひぇ………』
「お名前、聞こえなかったです。もう一回教えてくれませんか?』
にこっと澄んだ笑顔で言われる。
その「顔」に圧倒され
『あ、あかはっ、し…A…』
「え?何です?」
矢張り聞こえなかったらしい。
思った以上にどもってしまった。
顔を見ちゃダメだ、やられる。
私は目を逸らし
『赤橋…A…………です。』
と言った。
「Aさん、ですか!犬はお好きで?」
『え……?え、』
「お好きで?」
顔が迫ってくる。
距離は数センチ。
『え、いや、す、好き…です………』
「そうなんですね!うちのさゆりさんが〜…」
急にさゆりさん(恐らく犬)について話し始めた。
『す、すみません!出木田さんに挨拶しに行かないとなんで…失礼します!』
私は逃げるように部屋を出た。
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夜桜夜光(プロフ) - 面白くてめちゃ俺好みッす!応援してます!更新できる日を心からお待ちしてます!! (2022年2月22日 23時) (レス) @page17 id: 2f3c4feebc (このIDを非表示/違反報告)
キノコ - 更新お待ちしております! (2021年10月30日 10時) (レス) @page15 id: 5f66440d5c (このIDを非表示/違反報告)
キノコ - 更新お待ちしております! (2021年10月30日 10時) (レス) @page15 id: 5f66440d5c (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃ好きです!!応援しております! (2021年9月30日 5時) (レス) @page11 id: c53e6fc030 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍保存食 - ぴのさん» 間違えてました!?すみません…一応調べたんですけど…すぐ治しますね🥰 (2021年9月27日 18時) (レス) id: 1be2217f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷凍保存食 | 作成日時:2021年9月23日 20時