#5 ページ7
コンコン
「無能です」
tn「……入ってええよ」
あの後(自分の部屋と書記長室や幹部様方の部屋は離れているため)結構長い距離を歩いた。
途中でゾム様は「あっやべこのあと後輩の訓練あるの忘れてた」と言って、
土下座でもしそうな勢いで頭を下げたあとダッシュで訓練場に向かわれた。
私としてはゾム様が私と一緒にいるところを書記長様に見られなくてすむので、内心ほっとしている。
…ゾム様は何故か凄く悲しそうにしていたけれど。
ゾム様は不思議な御方だな。
……で、とりあえず書記長室に入った訳だが。
正直書記長様がほとんど生気のない目でこちらを睨んでおりめちゃくちゃ怖い。
すごく怖い。
tn「…お前は無能ちゃうのに、なんでそんなこと言うんや？」
「？あの、そんなことってなんでしょうか…？」
tn「さっき自分のこと”無能”って…」
「あぁ、それですか」
突然何を聞いてくるのかと思ったらそんなことか。
「そんなの、私が無能だから、です。それ以外の理由なんてございません」
tn「お前、昔はそんな感じじゃなかったやろ？いっつも元気で明るくて、僕とグルさんにも優しくしてくれて……」
「っそれは、昔の話です。それに今も昔も、自分を無能だと思っているのは変わっていません。」
そう、私は昔から自分を無能だと思っていた。
自己肯定感が低かったのだ。
…でも。そんな暗い私に
「面白そうなやつがいるゾ！」とか言って話しかけてきた人がいた。
それが、総統様と書記長様だった_______
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作者名：るむる | 作成日時：2022年9月24日 19時
