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9話 ページ10

ぐぬぬ…、気持ちだけでも負けまいっ!

男を思い切り睨みつける。だが男はそんな私を嘲笑うかのように容赦なく私にに殴りかかってきた。殴られる!、と思っていると上から何かが降ってきた。

「三橋選手見事な着地です!」

その正体は三橋くんだった。男は上から降ってきた三橋くんに踏まれ、地面に倒れた。

「いかがでしたか今の着地は?」

突然の乱入に驚いているのか誰も返事をしない。

「いかがでしたか?三橋選手の着地」

再び先程と同じく沈黙が流れる。

「金メダルでしょうがァァ!」

突然、三橋くんは残りの開久のツッパリ達に殴りかかる。三人のツッパリを相手にしているにも関わらず、次々と倒していった。私はその隙に未だ倒れている今井さんの方へと駆け寄る。

「今井さん!大丈夫ですか?」

あぁ、と言って今井さんは頷いた。そして三橋くんの方へと顔を向ける。

「三橋、お前良い奴だったのか…」

えっ、なんでそうなったの。

「理子さんは!仕方ない!お前に譲る!」

今井さんは三橋くんの肩を掴みそう言う。

一体どいう事なの……。

三橋くんも困惑している様子だった。

「どうなってんだこれは」

聞き覚えのない男の声が路地に響いた。声が聞こえる方を向くと、そこには開久の制服の男達が何人もいた。その先頭にはおそらく彼らのリーダ格であろう男もいた。

「……この人数相手は流石に無理だよね」

「こいつはやべえ…。あいつは片桐智司。中坊の時軽くメンチきった奴を全員病院送りにした野郎だぞ…」

「不味いじゃん…。てか、見るからに強そうじゃん…」

「おい、相良をやったのはどっちだ」

「相良?」

「コイツだ」

片桐は先程三橋くんが上に乗って倒した男に目を向ける。

「俺だ」

今井さんは三橋くんを庇う為かそう言って前に出た。

「嘘ついてんじゃねえ。俺だよコイツやったのは」

庇ってやったのに何を言ってるんだと言いたいのか今井さんは三橋くんを睨む。

「てめぇ、何つえーみたいな嘘ついてんだよ」

「いや俺は強いんだ!しかし、コイツがわりとしっかりとした木材で殴ってきたから…」

「だけどな、コイツにやられたってことに変わりはねーじゃん」

「あれがなければやられませんでした〜」

「いやいやこんな時になんの言い争いしてるの、二人共!」

止めさせようとするが二人の謎の言い争いは一向に止まらない。そんな二人を開久の面々は冷ややかな目で見ていた。

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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時

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