7話 ページ8
あの後私は学校に行く事にした。けれど胸のモヤモヤはある程度消えたとはいえ、告白現場を見てしまった事で理子ちゃんに対して複雑な気持ちを抱いてた。そのせいか無意識に理子ちゃんの事を避けてしまっていた。昼休みも今日は一人で食べ、気分が沈んだまま放課後を迎えた。
理子ちゃんが羨ましいや。私も理子ちゃんみたいに強くてかわいくなりたいなあ。
そんな事を考えながら廊下を歩いていると、注意力が散漫していたせいか誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみません」
顔を上げると目の前には理子ちゃんがいた。
「理子ちゃん…」
「A、ちょっと喫茶店で話さない?」
このまま避け続けても埒が明かないよね…。
私は頷いて理子ちゃんと喫茶店に行く事にした。
喫茶店に入り、注文を終えると理子ちゃんは早速私に尋ねてきた。
「A、今日私の事避けてたよね…?もしかして、私何かしちゃった?」
そう尋ねる理子ちゃんは不安げな表情だ。
「ううん、違うの。実は……」
私は素直に朝に今井さんが理子ちゃんに告白しているところを見てしまったこと、そしてそれを見て理子ちゃんを羨ましく思ってることを話した。
「ということは、A。それって…」
「うん…。私、今井さんの事好きみたい」
今井さんの事が好き。口に出したその言葉は胸にストンとおさまったように感じる。
「でも、それで理子ちゃんに嫉妬しちゃって…。ごめん…!」
私はそう言って頭を下げる。
「……顔を上げて、A。私、Aの気持ちわかるわ。私も、もし三ちゃんがAに告白してる所みたらAに嫉妬して同じようなことしちゃうと思うの。だからそんなに気に病まないで」
「理子ちゃん…!」
私は理子ちゃんの言葉を聞いて泣きそうになりながら顔を上げた。
「私、Aの事応援してるから。Aなら絶対大丈夫よ」
嫉妬して今日一日避けてしまっていたのに怒るどころか応援してくれるなんて…。理子ちゃんはやっぱり素敵な女の子だよ。
私は耐えきれなくなった涙を流した。理子ちゃんはそんな私をそっと抱きしめて慰めてくれた。
196人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時