45話 ページ47
坂本先生達から逃げ出し、少し離れた所で早足だった足を緩める。念の為に振り返ってみたが追って来ていないようだ。
「良かった、追いかけては来なかったみたい」
「……」
「勝俊さん?」
どうしたんだろう、ぼーっとして。それに少し顔が赤いような気もする。
「あ、ああ。何だ?」
「先生達、追いかけては来てないみたいって言ったんだけど……、もしかして具合でも悪い?」
「……いや、違うんだ。さっきのAの言葉が嬉しくてな」
そう言われて先程までの事を思い出し、はっとする。
私、先生達の前で勝俊さんの事、大好きとか言っちゃったじゃん!いや、間違いではないけど他人に言うのは恥ずかしい……。
「えへへ、あの時は坂本先生に勝俊さんとか三橋くん達のこと馬鹿にされてついカッとなっちゃって」
「俺もAの事、大好き……いや、愛してるぜ」
……もう、この人にはかなわないなぁ。
私はそっと、勝俊さんの腕に抱きついた。
次の日、学校では坂本先生と剛田先生による強引な指導がまだ続いていた。放課後になる頃には三橋くん達を慕っている男子達のほとんどが坊主にされていた。
「……こんなのって」
「いくらなんでも酷すぎよ!」
私は勝俊さんが来るまでの間、理子ちゃんと教室で話していた。理子ちゃんも先生達のあまりの横暴振りにはかなりイラついているようだ。すると、クラスメイトの女子が泣きながら教室に入ってきた。その子の髪はかなり短くなっている。
「もしかしてその髪、坂本先生達に?」
その子は泣きながらも小さく頷く。
「女子にまでこんな事するなんて……!許せないわ!」
でも、私達じゃ先生達には太刀打ちできない。あの先生達を倒せるのはやっぱり…。
「三橋くん達なら先生達をきっと何とかしてくれるよ。さっきも生物準備室に篭ってたし、何か作戦を立ててるのかも」
「そうね、三ちゃん達の所に行ってみましょ」
私達は未だショックで泣いている女の子を慰めつつも生物準備室へと向かった。
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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時