44話 ページ46
今日の授業が全て終わると私は先生に授業で分からなかった部分の質問をしたり、商店街で母に頼まれていた物を買ったりしているとすっかり辺りは暗くなっていた。
「ごめんね、荷物持つの手伝わせちゃって」
「これくらい大丈夫だ。気にすんな」
今日の放課後は私の用事ばかりだったのに勝俊さんは暗くなると危ないからと言って私に付き合ってくれた。ちなみに谷川さんは放課後に用事があるらしく一緒にはいなかった。
「そうそう、最近うちの学校に変な先生が来たの」
「変な先生?」
「生徒に対して強引な指導をしてくるんだよね…。教師なのに普通に殴ったりもするし。しかも、元ヤクザらしくてみんな怖がっちゃって」
「なっ、そんな奴がAの学校に居るのか!大丈夫か?なにかされてないか?」
私の話を聞くと直ぐに勝俊さんは心配そうな様子でそう言った。その勢いに若干驚きながらも大丈夫だよと、答える。
「でもクラスの男子が…」
私は話すのをやめて立ち止まった。何故なら、前方から坂本先生と剛田先生が歩いてきていたからだ。
「げっ…、噂をすれば」
そう呟いたのが聞こえたのか勝俊さんも私の隣でこちらに向かってくる先生達を警戒し始める。
「こんばんは、Aくん」
「…こんばんは」
「ダメじゃないか、こんな時間まで出歩いてたら」
「すいません、用事が長引いてしまったので。今から帰る所なんです」
「…君は三橋達が転校してくるまでは本当に優秀で真面目な生徒だった。それが今や不良の彼らと連んでいる」
三橋くん達を悪く言う坂本先生に正直、ムカついた。けれど反論してもややこしくなりそうだったので何も言い返さずに黙り込んだ。
「挙句の果てにはこんな他校の不良と付き合い始めるとは…。何か彼らに脅されているんだろ?」
坂本先生はそう言って勝俊さんを一瞥する。私はその瞬間、ほぼ無意識に反論していた。
「うるさい」
「なっ!今何を…」
まさか反論されるとは思っていなかったのか坂本先生は驚いている。
「うるさいって言ったんです!勝俊さんや三橋くん達の事を悪く言わないでください!私、勝俊さんの事が大好きだし、三橋くん達の事も大切な友達だと思ってますから!」
「せっかく仲間にしてやろうと思っていたのに。残念だよ」
「坂本先生の仲間とか絶対なりませんから」
…このまま先生と話してても埒が明かなさそうだなぁ。
そう思った私は勝俊さんに行こうと、小声で言って二人一緒にその場を離れた。
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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時