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39話 ページ41

三橋くんが椋木先生の召使いになり始めた次の日。学校では昨日とはまた違う変化が訪れていた。何やら噂によれば新しい先生が増えたらしい。

新しい先生どんな感じの人なんだろう。普通の先生がいいなぁ。

個性の強い先生達を思い出し、苦笑いしていると中庭の奥からわっしょい、わっしょいと言う声が聞こえてくる。

三橋くんに今から面白いことするから、って言われて中庭に来てみたけどまさか…。

わっしょいという声が近づいてくるにつれ、三橋くん達が神輿を担いでいるのが見えてきた。その神輿の上には椋木先生が乗っているようだ。

「なに、あれ…」

私と一緒に来ていた理子ちゃんも驚いているのか、それはちょっとやりすぎなのでは…と、小声で呟いていた。

「コラー!」

聞き慣れない声が響き渡る。一体誰だろうと思っていると体格の良い怖そうな男の人が現れた。

「中庭で神輿なんか聞いたことねぇぞ!」

三橋くん達は神輿を渋々と地面の上へと置く。すると、坂本先生が慌てた様子で男の人に駆け寄った。

「剛田先生、彼らは良かれと思って椋木先生を…」

あ、もしかしてあの人が新しい先生なのかな。何だか見た目はヤクザっぽくて怖いな…。

「有り得ない!」

「てめぇ、何なんだよ。こっちは椋木先生にやれって言われてやってんだよ」

「うん。やれとは言ってない」

椋木先生も神輿から降りたのか、そう言って三橋くんの横に並ぶ。

「言ってたよ。神輿に乗りたいって、もう、顔が言ってた」

「どんな顔?神輿に乗りたいってどんな顔だ」

すると、痺れを切らしたのか剛田先生は椋木先生に向かって殴りかかった。

「やかましい!」

だが、その拳は椋木先生に当たらずに三橋くんの顔に当たった。三橋くんは自ら前に出て、椋木先生を守ったのだ。

「俺は椋木先生の僕なんだよ…」

私と理子ちゃんは三橋くんに駆け寄った。

「三ちゃん!大丈夫?」

「三橋くん!」

どうやら大きな怪我にはなっていないようだ。

「先生!暴力反対です!」

理子ちゃんは剛田先生と坂本先生を見てそう言った。

私もこれはおかしいと思う。教師が暴力を振るうなんてダメだよ。

「赤坂、ごめんね。剛田先生、今日が初めてでやり方を探ってて…」

坂本先生はおどおどした様子で理子ちゃんに答える。

「俺に逆らうやつは容赦しねぇし!坂本先生に逆らったら…殺す!分かったかぁ!」

剛田先生の剣幕は凄まじくその場にいた殆どが思わず、はい!と、返事をしてしまった。

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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時

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