34話 ページ36
「そう言えばまだ少し先だけど、今日帰りのHRで修学旅行の話がでてたよ。うちの学校は今年は京都に行くみたい」
「本当か！俺達も修学旅行は京都らしいんだ」
「それなら現地で合流して遊べそうですね」
勝俊さん達と修学旅行の話で盛り上がっていると、この辺りでは見かけない男達がこちらに向かって歩いてきた。そして先頭を歩いていた男が話かけてきた。
「ねぇねぇ、軟葉高校の三橋と伊藤って知ってる？」
勝俊さんと谷川さんはその男を警戒しているのか私を守るように前に立つ。
「知ってるが、何の用だ？」
「あまりあの二人とは関わらない方がいいぞ」
「いやぁ、それがどうしても関わり合いになりたいんだよね。いつもどんなところで遊んでるとか知ってたら教えて」
男はニコニコと笑いながらで尋ねてくるがその目は笑っていない。
…あの人、なんだか怖い。開久の相良って人も怖かったけどあの人はそれとは違う怖さを感じる…。
「知らん。他に聞け」
そう言って勝俊さんは私の手を引き、男達の横を通り過ぎていく。谷川さんもその後を続く。すると、男の仲間の一人が背後から勝俊さんの背中にゴミ箱を投げつけてきた。その様子を見て男達はケラケラと笑っている。
「てめぇ！」
勝俊さんは男に殴りかかる。が、避けられてしまった。更に男達は数が多い上に連携が取れている為、勝俊さんは何度も殴られてしまう。そんな勝俊さんを見かねたのか谷川さんが男の仲間を後ろから止めに入った。けれど、谷川さんも簡単に剥がされてしまい蹴りを入れられてしまう。
勝俊さんは確かに強い。けど、いくらなんでもこの人数相手じゃ…。
戦う事の出来ない私はただただ後ろから見守る他ない。そんな私に気づいたのか先程私が怖いと感じた男が話しかけてきた。
「あー、そう言えばこの子に三橋と伊藤について聞いちゃってもいいかも」
男はニコニコと笑いながらこちらに歩み寄る。私は恐怖で足がすくんで動けなかった。
「Aに手を出すんじゃねぇ！」
勝俊さんは男に殴りかかる。男は不意をつかれたようだが勝俊さんの拳を受け止めた。
「A、早く逃げろ！」
私は一瞬迷ったが、ここに居ても勝俊さん達の足でまといになるだけだと思いその場から逃げ出した。
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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます！嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (
レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2018年12月12日 2時
