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28話 ページ30

目が覚めるとそこは廃工場だった。立ち上がろうとするが椅子に足と手が縄でくくりつけられていてできない。

確か私帰ってる途中に気を失って……。

「目が覚めたようだな」

首だけ動かして声がする方を向くと開久の制服を着た男達がいた。

「貴方達、何が目的…?」

「今井に復讐する為に決まってんだろ。紅高なんかに開久が舐められたままじゃ気が治まらねえ」

そう答える男には見覚えがあった。

確か今井さんが河川敷で石をぶつけた人の一人だった気がする。

「でも今井さんに復讐する為にどうして私を拐ったの?」

「お前、今井の女だろ。お前を人質に呼び出して俺らでアイツをめちゃくちゃにしてやるんだよ」

男がそう言うと男の仲間達はハハハと笑う。

なんて卑怯な奴らなんだろう…!ツッパリのくせに手を出せない相手に寄って集って複数人でやり返すなんて。…今井さん、これは罠だよ。お願い、来ちゃダメだよ…!

けれど私はそこまで考えてはっとした。

あの人、私のこと今井さんの女って言ってたよね。それなら今井さんに今は彼女はいないし、呼び出されても嘘だと分かって来ないよね。

「残念だけど、今井さんは来ないよ」

「どういう事だ」

「だって、私、今井さんの女じゃないもん」

「は?おい、お前あの女が今井の女だって言ってたよな」

男は仲間の一人の胸倉を掴んで尋ねる。

「は、はい!確かにあの女今井と一緒にいたんですよ!」

「それはたまたま一緒にいただけ。彼女とかじゃないよ」

自分で言っててなんか悲しくなってきた…。でもこれでこの人達諦めてくれないかな。

「チッ、無駄足だったって事かよ」

お、諦めてくれるのかな…?

「この女はどうします?」

「……ここまで知られたからにはタダで返しちゃおけねぇな」

えっ?!

「ちょっと痛い目見てもらうか」

男はニタニタと笑って私に近づいてくる。私は後退りしたいが椅子にくくりつけられている為、動けない。

何するつもりかわからないけど絶対良い事じゃないよ…!

「こ、来ないで…!」

誰か助けて…!ああ、でもこんな所に助けなんて来るはずないし…。

その時だった。廃工場の扉が勢いよく開けられた。

そして、扉が開いた先には……今井さんがいた。

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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時

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