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26話 ページ28

「Aー、帰ろうぜ」

クラスの皆がそれぞれ帰ったり部活へ行き始めた頃、三橋くんが私に声をかける。三橋くんの隣には理子ちゃんも居た。伊藤くんはどうやら京子ちゃんとデートのようで居ないようだ。

「あー、ごめん今日は買い物してから帰るから」

「え、A、今日の昼休みに用事ないって…」

そう言いかけた理子ちゃんを手招きする。理子ちゃんは不思議そうにしながらもこちらに近づく。そして私は三橋くんに聞こえないように耳打ちした。

「たまには三橋くんと二人で帰りなよ」

私がそう言うと理子ちゃんは顔を赤くする。

「え、いいの…?」

「いつも私の相談乗ってくれてるしさ、たまには…ね?」

「ありがとう、A」

「ほら、三橋くん待ってるし早く言ってあげなよ」

そう言うと理子ちゃんは頷いて三橋くんの方へと駆け寄る。

「何話してたんだ?」

「三ちゃんには内緒。…また明日ね、A」

「じゃーな、A」

「三橋くん、理子ちゃん、また明日〜」

二人は教室から出ていった。私は二人の背中を手を振りながら見送った。



私は理子ちゃん達が出ていってしばらくしてから学校を出た。

今日は今井さん達も用事があるみたいだし暇だなぁ〜。早く家に帰って漫画でも読もうかな。

そんな事を考えながら曲がり角を曲がろうとしたその時だ。突然背後から伸びた手に鼻のあたりを覆われた。その手はハンカチを持っていて何か薬品のような匂いがする。

「…っ!」

私は抵抗しようとするが薬品を嗅いでしまったせいかだんだんと力が抜け、意識が薄れていく。

やだ、誰か…、助けて。

そして私は完全に意識を手放した。

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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時

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