23話 ページ25
「Aさん」
「は、はい！」
休憩室で座り込んでいるとクラスメイトの子に声をかけられる。
「ちょっと早いけどもう仕事終わっていいよ。Aさん頑張ってくれてたし」
なんか早く終わるなんて悪いなぁ……。でも今の状態で仕事ちゃんとできる気がしないし…、いいよね。
「ありがとう！じゃあ先に失礼するね」
「お疲れ様〜」
私は荷物をまとめ、クラスの皆に挨拶してから教室を出た。
もう今井さん達帰っちゃったかなぁ。
「あ、Aさん！」
「あれ、今井さん、谷川さん！どうして…？」
振り返ると今井さんと谷川さんがいた。
「Aさんのクラスの子にもうすぐAさんの仕事が終わるって聞いたんで待ってたんです」
多分あの子が言ってくれたんだよね。良いクラスメイトを持ったなぁ。
「Aさん！よければ俺達と一緒にいろいろ見て回りませんか？」
「私でよければぜひ！」
迷うことなく今井さんの言葉に頷く。こうして私達は一緒に文化祭を見て回る事にした。
文化祭をほとんど回り終えた所で今井さんが急に廊下で立ち止まった。
「今井さん？どうかしましたか？」
不思議に思い、声をかけるが反応はない。
今井さん、どうしたんだろう…。…ん？気のせいか顔色が悪く見えるような。もしかして、風邪？
私は頑張って背伸びをして今井さんの額に手を当てる。額はとても熱かった。
「やっぱり…！今井さん熱があるよ！…あ、だから今日はあんな事を急に言ってきたりしたのかな」
「いや、それは違うと思いますよ」
「え？」
「あ、なんでもないです！それより今井さん、大丈夫ですか？」
「あ、あぁ」
今井さんは力なく頷く。
明らかに大丈夫じゃなさそう！
「谷川さん、今井さんの家ここから近いですか？」
「まぁ、近い方だと思います」
「じゃあ家に行きましょう。熱があるなら早く帰って休むのが一番ですよ。谷川さん、手伝ってください」
「はい！」
「悪いな、谷川…。Aさんも…」
「何言ってるんですか、今井さん。風邪の時くらい頼ってくださいよ」
「そうですよ」
そう言って私と谷川さんで今井さんを両脇から抱える。二人共背が低いので今井さんを運ぶのはかなり体力が必要になりそうだ。
今井さんの身体、かなり熱い…。ぐぬぬ…！早く家に運ばなくては…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます！嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (
レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリィ | 作成日時：2018年12月12日 2時
