17話 ページ19
次の日の朝、私は三橋くん達と理子ちゃんと一緒に登校していた。
「どうしたの三ちゃん?完全に寝不足って顔だけど…」
理子ちゃんの言う通り、三橋くんの目の下にはクマができていた。かなり眠そうだ。
「あぁ…、徹夜したよ」
「なんで?」
「勉強?」
「ハッハッハ、こいつがそんな訳ねーじゃん」
伊藤くんが笑っていると三橋くんは私達の前を歩いている二人組みを見て突然叫ぶ。
「なんだとー!俺の藁人形が全く効いてねぇ!」
その二人組みは今井さんと明美ちゃんだった。
今井さん……。楽しそうだな。
三橋くんは仲睦まじそうな今井さんと明美ちゃんが許せないのか地面に落ちていた空き缶を投げようとした。
「ダメーっ!」
私は慌ててその空き缶を取り上げて阻止する。
「何するんだよ!お前だってムカつくだろ!」
「昨日も言ったけど、私は今井さんが幸せならそれでいいの!だから邪魔しないであげて!」
「いーや、俺は我慢できねぇ」
「ダメだって!」
「この二人朝から元気だなぁ…」
「そうねぇ…」
今井さん達がいなくなるまで三橋くんと私の攻防は続いた。運動神経が悪い私からしたらこれだけでもかなりの体力を消費したので学校に着く頃にはヘトヘトになっていた。
朝からヘトヘトになってしまった私は古文の授業で寝そうになっていた。
「三橋どうした!」
うおっ、びっくりしたぁ…。
椋木先生の大きな声で目が覚める。そして何事かと三橋くんの席の方を見ると三橋くんは机に突っ伏していた。そして急に立ち上がったかと思うと、人はどうして人を好きになるんですか、と椋木先生に尋ねた。
「…ナイス。ナイスな質問だ。」
椋木先生はそう言ったかと思うと古文の授業をやめて人生の授業を始めた。けれど、その後の三橋くんの意味不明な質問のせいでだんだんと脱線していき人生の授業ではなくなっていった。そんな授業に興味をなくした私は考え事を始める。
今井さん、幸せそうだったな…。今井さんが幸せなのは嬉しいはずなのに…やっぱり、モヤモヤする…。
窓の外の景色を見ながらため息をついた。
その日、私はあまり気力がなかったので寄り道せずにすぐに帰って寝た。
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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時