1話 ページ2
この日私は遅くまで部活があり、さらに一度学校に忘れ物を取りに戻ったのであたりはすっかり真っ暗になっていた。
「もー、なんで忘れ物なんかしちゃったんだろう。早く帰らなきゃ」
この時間帯には不良も多く出歩いていて危険なので私の足は自然と早くなる。帰路の途中にある階段も駆け足でおりていく。が、その途中で辺りも暗かった為か段差を踏み外してしまった。
「あっ!」
しまったと思ったがもう遅い。体はどんどん下へと落ちていく。そして落ちていく先をよく見ると青い制服を着た大柄な男と小柄な男がいた。
「ど、退いてください!」
慌てて大きな声でそう言う。そしてくるであろう衝撃にそなえキュッと目を瞑る。
だが、しばらくしても何故か何も痛みはない。不思議に思い目を開けて見ると私は誰かの腕の中にいた。
「ナイスキャッチです!今井さん!」
「へ……?」
「大丈夫でしたか?お嬢さん」
状況を把握出来ずに混乱していると頭上から声がした。顔を上げると先程見た今井さんと呼ばれている大柄な男の顔があった。私は自分が今井さんに受け止めてもらったという事をようやく理解した。
「え、あ、ありがとうございます!大丈夫です!」
こんなに男の人が近くにいるのとか初めてだよ…。というか、これはお姫様抱っこなのでは……!
私は恥ずかしさに耐えきれなくなり今井さんの腕から抜け出しその場から逃げ出してしまった。
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リリィ(プロフ) - 受験生さん» 感想ありがとうございます!嬉しいです(●´▽`●) (2019年1月4日 0時) (レス) id: ef18e6cd08 (このIDを非表示/違反報告)
受験生 - 墨汁wさすが三橋ですね。この小説大好きなので、更新頑張ってください。 (2019年1月3日 23時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2018年12月12日 2時