青の少年: 後編 (ページ4)

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パーシー・ブライアン邸にモーガンが到着したのは、ホッチたちが到着したのと同じくらいだった。
JJがいないことに気づいたプレンティスが「JJは？」と尋ねる。

「アシュレイ・エドワーズとSWATを待ってる」
「一人で？大丈夫なの？」
「本人はそう言ってたな」
そう、とどこか納得しきれていないプレンティスにモーガンは「どうした？」と尋ねた。

「何か引っかかるのか？」
「ううん、ただなんていうか.....嫌な予感がして」
ごめん、不謹慎ねとプレンティスは少し微笑んだ。

「JJなら大丈夫よね」
その言葉に頷き、モーガンは目の前の家を見つめる。
いつもより、自分の体が強張っているのが分かる。
フッと息を吐き、家の扉の前に立つ。
リード、ホッチがモーガンに続き、突入準備完了の合図を待った。

ホッチと目を合わせると、軽く彼が頷いた。
ソレを合図にモーガンは思い切り扉を蹴り開けた。
「FBIだ！！！」
声が静かな街一帯に響く。
真っ暗なリビングを、銃についた光だけを頼りにBAUチームとSWATは乗り込んだ。
裏口からは、ロッシとプレンティスが突入している。

当然、一階に人の気配はなく、モーガンたちはすぐに二階へと向かった。
向かいながらモーガンは段々と不信に思ってきていた。

本当にここにリリーがいるのか？
この家は異常に静かすぎる。
嫌な予感が頭に霧のように纏わりついてくる。

だがモーガンのその心配はすぐに消え去った。
二階の一室に電気がついていたのだ。
ドアの隙間から光が漏れている。

「プレンティス、ロッシ、二階です」
そうホッチが無線機で伝えると、すぐ了解の声が帰ってきた。
二人を待っているわけにはいかない。
モーガンはリードを一瞬見た。

「いいな？」

声に出さずにそう問う。
リードは深く頷いた。

「FBIだ！！！！」
音を立て、ドアを思い切り蹴る。
中に入り込んだ3人は一瞬その異様な部屋の空気に呑まれた。

男が6人、手を挙げている。
1番部屋の隅にいる男は上半身裸で、そして跪いていた。
その頭には、黒い大きな銃が突きつけられている。
パーシー・ブライアンである。
怯えた、というより苦々しい表情で、うつむき、銃口を頭に押し付けられている。
署長席に座っていた、あの傲慢たる彼の姿はどこにも見られない。

そしてその黒い銃を掴んでいたのは、他でもない。

美しい、青の少年だった。