青の少年: 後編 (ページ23)

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20分間ページ23

「もう友達じゃないってお前は言うし.....」
「でも、だってそれは........確かにもう友達ではなかったじゃないか」

そう言うと、マイクは少し困った顔をした。

そう、アシュレイに言われる前から、リリーとマイクはもう友人ではなくなっていた。

だからこそ、リリーは余計マイクをアシュレイたちの手から必死で守った。
絶対に、自分と同じ目にあって欲しくないと。

ただの友人の為にそこまで普通できるだろうか。
あんなことに耐えられると言うのだろうか.....。

その答えは自分が一番よくわかっている。

リードにも話していない、秘密がある。
自分があの地獄を耐えたのは友人を守るためではない。

「恋人だった.....。
友達の一線なんてとっくに超えてた。
........だからこそお前を傷つけてしまった」

マイクの事が好きだった。
いや、愛していた。
そして、マイクもそうだった。

2人は恋人関係にあった。

だからリリーは、自分の好きな人を守る為に、必死であの地獄を耐えたのである。

虐待が始まったのが9歳、そしてマイクと付き合いだしたのは13の時だった。

耐えきれず泣き出したリリーに、マイクがキスをしてくれたのがきっかけ。
忘れない。優しいキスだった。
結局、ジェームズにバレて、1年足らずで別れてしまったが。

それでも別れたくて別れたんじゃない。
ずっと、マイクが好きだった。

マイクは目をそらした。

「でももう昔の事だ。
結局お前は....リリーは、俺を避けて、離れていった」
「確かにそうだったけど、アレは僕の意思じゃなかった。
本当は....ずっと...」

ずっと、愛してた。好きだった。
多分今でも。

リリーはマイクに近づいた。

お互い何も喋らなかった。
マイクの肩に触れると、逸らしていた目をこちらに向けてきた。
相変わらず、優しそうで、吸い込まれそうなほど綺麗で。

自然と距離が縮まる。
マイクも身体をこちらに向けてくれた。

お互い少し戸惑いながら、何度か止まりながら、距離は少しずつ縮まっていく。
そして2人の額がつくほど近くなる。

マイクの吐息が聞こえる。
視線は合わさったままで、お互いを見つめ合う。

拒絶が怖くてそこから動けないでいると、腰に手が回される。

「目、閉じろよ」

掠れた声でマイクが言った。
言われた通りに目を閉じると、唇に何か触れる感触がした。

マイクと、キスをした。
変わらない、優しいキスだった。