青の少年: 後編 (ページ22)

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20分間ページ22

リビングに案内され、ソファに座る。
久々に入った彼の家は相変わらず綺麗だったが、それでも長男を失った悲しみが伝わってくる。
電気は小さなランプのみで、少し部屋は暗かった。

マイクがずっと黙ったままなのでこちらから切り出す。
「お前の兄貴の...サイモンのこと。
本当に気の毒だと思ってる」
サイモンの名が出ると、マイクの肩がピクリと動いた。

「どうしても知っておいて欲しい。
周りの町の奴らは僕が犯人だって言うだろう。
僕がサイモンや他のみんなを殺したって。

でも、マイク。お前にだけは知っておいて欲しいんだ。

僕は何もしてない。
犯人じゃない」
他の誰に誤解されたっていい。
でもマイクにだけは、幼馴染にだけはちゃんと知っておいて欲しかった。

マイクは少し間を置いてから「知ってる」と答えた。

「リリーがそんなことするようなやつじゃないって、ちゃんと知ってるよ」
マイクが少しだけ微笑んだ。

「犯人はアシュレイだって、町長から教えてもらったんだ。
本当に信じられない。
アシュレイ、あんな優しかったのに........」

アシュレイ、町長。
その単語に少しドキリとする。
なんと答えていいか分からず、黙っているしかなかった。

「.......なんで、俺を避けたの」
今度はマイクが切り出す。

だが自分はその質問に答えられなかった。

マイクを避けるように言ったのはアシュレイだった。
親しい友人とはみんな縁を切らされた。
理由はジェームズ・ワトソンに弱みとして利用されるからだ。

結局マイクとリリーの仲を知った彼は、「逃げたり、誰かにこの事を話したらマイクは同じ目にあう」と言って、リリーを脅した。

青い髪も、周りにリリーと距離を置かせるために染めさせられた。
この町の住人は頭が硬い。
タトゥーはもってのほかで、髪を染めることすらしないような人種だ。

ジェームズに作戦はうまくいった。
リリーはマイクの為にとずっと耐えたし、青い髪は住人とリリーとの間に壁を作った。

「......逆らえない人にそうさせられたんだ」
その精一杯の答えに、マイクは少し訝しげにリリーを見た。

「アシュレイか？」
「そう、アシュレイ」

追求されまいとそれだけ答えるとマイクは少し納得のいかない顔をしたがそれ以上聞かなかった。

「傷ついた。
心友だと思ってたのに、ある日突然お前が「僕に近づくな」なんて言うから」
「悪かったと思ってる、本当に....」