青の少年: 後編 (ページ17)

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67:別れの時ページ17

ホッチはチーム全員を集め、リリーをワシントンに連れて行こうという話をした。
最初は戸惑っていたが、最終的には全員賛同した。
リリーはどのみちこの町を離れるべきだった。

出立はすぐに決まった。JJのこともあるし、あまりもうここにどまらないほうが良い。
チームは今日中にでもこの町を発つことにした。

「父親はどうするの？」
「一応児童保護局に今回の件で電話した。
そしたら父親に保護者としての責任が感じられないって事で今後親権放棄を求めるそうだ。
今までの様子じゃすぐに放棄を認めるだろうな」

プレンティスは少し顔を歪めた。

「その方がリリーの為にはなるんでしょうけど....」
なんとなく煮え切らなかった。
本当に彼らはやり直せないのだろうか。
モーガンはそんな感情を読み取ったかのようにプレンティスの肩を叩いた。

「そんな顔するなよ。
今回の事件は色々と...問題が残る。
この先何年もな」

時間が解決することもある。
そう思い、モーガンは目を閉じた。
そんな彼にプレンティスは微笑んだ。

「おつかれ、デレク」
「ああ.....」

濃い、事件だった。

「リリーは今どこに？」
「ああ....ダニエルの所に行くって。
一応家にも戻るらしいけど。
リードが送って行くらしい。俺も付いて行くけど...お前はどうする？」
「あー...私はいいや。3人で行ってきて」

リリーとリード待ってんじゃない？とプレンティスに促され、モーガンは2人の所へと向かった。

運転はもちろんモーガン、助手席にはリード、後部席にリリーが座る。

「さて、殿下。
まずはどこに向かわれますか？」
「ダニーに会いたい」
迷わず答えたリリーに「了解」と答え、3人はダニエルの元へと向かった。

ダニエルが運営する『チャーリー・キッチン』は相変わらず人っ子ひとりいなかった。
考えてみれば、人が寄って来そうなところでもない。
加えてあの店主だ。
チャーリー・キッチンは本当にリリーの為の、為だけの店だったんだな、とモーガンは思っていた。

「ダニー」
リリーが車のドアを開けてダニエルの名を呼ぶと、すぐに彼は出てきた。そしてリリーを見てホッとしたように笑い、思い切り彼を抱きしめた。

2人は長いこと喋っていた。
内容は聞き取れなかったが、ダニエルはずっとリリーの話を聞き、頷いたり涙ぐんだりしていた。

最後にもう一度ハグをした後、ダニエルはようやくリリーをモーガン達の元へと帰らせた。

「ありがとう」

リリーが最後にそうダニエルに囁いていた。