青の少年: 後編 (ページ2)

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アシュレイが、犯人だった。
それをアシュレイ本人が認め、またその本人の憔悴ぶりからアシュレイが何かするという可能性は実に低かった。

それでも5人以上もの人を殺したアシュレイを野放しにしておくわけにはいかない。
幸いにも、犯人が発覚したため、BAUはワシントンに戻らず、事件を最後まで担当させてもらえることとなった。

そしてFBIはチームに特別にSWATを派遣してくれてもいた。
実はこのSWATはチームが街で何か暴力沙汰に巻き込まれないようにと少し前に派遣されていた。
着いたのはつい先程で、今ホッチたちとパーシー・ブライアン宅に向かっている。

モーガンはホッチに連絡を入れて、2人はアシュレイを放っておくわけにいかないという意見に達した。
SWATを数人こちらに派遣してくれるらしい。
そこでJJは自ら手を挙げた。
「私が残る」
オイJJ、とモーガンは言ったが、JJの心は決まっていた。

「大丈夫、アシュレイは私に何もしないわ」
そう言い、JJはアシュレイを横目で見た。
「それに.....リリーには今、あなたが必要だと思う」
「リリーはリードに心を開いてる。俺にじゃない」
「ええ、でもリリーの事分かって挙げられるのはあなただけでしょう？」

行って、モーガンとJJは強く言った。彼女に迷いはなく、モーガンもできればリリーの元へ行き、彼を救ってやりたかった。

昔の自分が、貰えなかった「救いの手」を今度は自分が差し出したかった。

「..........本当に大丈夫なんだな？」
「ホッチももうSWATを向かわせてくれてるんでしょう？
なら大丈夫よ。SWATが来たらあとは任せて私もすぐに向かうから」

だから行きなさい、とそう押し出され、モーガンは決意を固めた。
JJを信じ、そして過去の自分を救済する気持ちで、リリーの救出に向かった。

この時のことを、モーガンは後に後悔する事になるのだった。

＊

エドワーズ邸に、一部屋だけ煌々と明かりがついている。
真っ暗な部屋にずっといたからか、電気をつけると目が少しチカチカしたが、今はもうすっかり目が慣れた。

「.....お茶でも入れましょうか？」
そうJJが言い出したのは、既に部屋の捜索が済んでからだった。
銃もなし、睡眠薬もなし。
だがアシュレイはなによりも憔悴しきっていた。
顔は青ざめ、今にも死にそうな彼が何かできるとはJJには思えなかった。

JJの対応に何も問題はなかった。
それでも事件は起きてしまったのである。