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「え、え、なんで泣いてるん」
目に留まりきれずポロポロと溢れた涙を
こたは自分の人差し指ですくって
止めてくれようとする。
それでも、止まらないと察したのか
ギュッと私を抱き寄せ、自分の肩に埋めた。
「ごめん、不安やったんやんな。
風雅から全部聞いた」
あれだけめんどくさそうにしながらも
ちゃんと風雅先輩は私の悩みを
こたに伝えてくれていたようで
「A、好きやで」
初めて、彼からの甘い言葉を貰った。
『うん、こた、好き。
ずっと、不安やった』
顔を埋めて泣きながら自分の思いを話す間
こたはポンポンと優しく背中を叩いてなだめてくれる。
こんなに、こたの手って大きかったかな。
「俺、Aが思ってる以上に
Aのこと好きやし、大事にしたいと思ってるから…
もう他の男子とあんまり話さんといてな」
風雅もやで、と付け加えるこたは
意外と束縛が強い…かもしれない。
〜後日〜
付き合ったことを風雅先輩に報告した。
「お礼に何かちょうだいや」
『風雅先輩と喋ったらこたが妬くんで』
「あ、Aと風雅、仲ええなあ。
俺も入れて〜」
「これのどこが妬いてるって?」
『こたの攻略は難しいです…』
fin
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作者名:Runaaaaa | 作成日時:2020年2月15日 23時