60話 ありがとう ページ17
確かに私はスカートを履くのは苦手だし、ここ数年は見ることも無かった。
…それでも私だって、オシャレに一度も興味が無かった訳じゃない。リボン、レース、ヒールの付いた靴やキラキラしたアクセサリーは……全部、私が過去に憧れた物と同じだった。
ナマエ「……あの衣装を着ることはなかなか無いと思うけど、その…たまになら、エマちゃんと一緒なら……着てもいいよ」
エマ「！…っほ、ほんと？」
ナマエ「ご、ごく稀になら！」
エマちゃんは顔を上げ、キラキラした目を向けてくる。そ、そんな顔で見ないでエマちゃん！私の意思が揺らいじゃう！(チョロい)
エマ「…〜っ！ありがとうなの！とっても嬉しいの！」
エマちゃんは本当に嬉しそうに、いつも通りの可愛い笑顔を向けてくれた。
…トレイシーとの時もそうだったが、やはりなんだかむず痒い。たった『ありがとう』の5文字だけでこんなに擽ったいような気分になるのは、初めてなんだ
ナマエ「…さ、ご飯食べに行こ！今日こそは私も食堂で……」
食堂に向かって歩き始めて、話題を変える。いつも通りダメ元で『食堂で』と言ってみると…
エマ「……うるさくなったら、エマが止めてあげるなの」
ナマエ「うん、わか…っどえ！？ま、マジでいいの！？」
超予想外の返答。昨日まではA食堂禁止令が出されてたのに…どうしたのエマちゃん！？
エマ「荘園に来たばかりの頃は、ハンターが居るとうるさくなるし変な子だし」
ナマエ「いきなり衝撃の告白すぎない？」
エマ「食事中でも『静か』のしの字も無いような人だと思ったけど…」
ナマエ「エマちゃぁん……」
流石にボロクソ言い過ぎじゃない？ダメージ与えすぎてオーバーキルだよ？
エマちゃんは真顔で思い返しながら最初の頃の印象を口にするが…ある程度言ったところでピタッと止まり、私のことを見て微笑む
エマ「……でも実際一緒に過ごすと、相手が嫌がることはしないし大事な時にはふざけたりしないし…とっても優しい子だったの」
ナマエ「…っ……ど、どうも…」
エマ「ふふ…あと、とっても照れ屋さんなの」
エマちゃんはニコニコして嬉しそうだけど、私は上手く言葉が出なくて黙ってしまう。
『とっても優しい子』という言葉が頭から離れない。そんな風に見られてると思うとニヤついてしまう。
ナマエ(…さっきとは違う嬉しさだ)
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妖福(プロフ) - 紫陽花の園にあるモチさん» コメントありがとうございます！一気読み嬉しいです…！リアル時間の関係で、現在更新ペースかなり酷いことになってますね…。第五愛も書く気力もあるので、話の結末も決まってるので…失踪しないよう、ゆっくりですが頑張ります…！ (2021年9月10日 0時) (
レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花の園にあるモチ(プロフ) - やだ、面白すぎてすぐに読み終わっちゃった。続き待ってます！ (2021年9月7日 14時) (レス) id: 1e1719f572 (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - umisorakoさん» エマちゃんは仲がいい人に、傷つける言葉は言わないけど本音をズバッと言うキャラ…って感じで書いてますw (個人の勝手なイメージの塊) (2021年8月19日 17時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
umisorako - 妖福さんのエマちゃんがちょっと毒舌で好きですｗ (2021年8月16日 16時) (レス) id: 0a8e78580d (このIDを非表示/違反報告)
妖福(プロフ) - シャーリーンさん» コメントありがとうございます！おバカ主人公、楽しんでもらえて嬉しいです…！主人公は「出来心でやった。頬が痛くなるとは思わなかった」などと供述しており…w (2021年7月30日 19時) (レス) id: 0d154ab0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：教六 | 作成日時：2021年7月13日 3時
