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「女の子一人守れない男はどうかと思いまーす。−10点」
「私も同意見だよ。そもそも名前を呼んだのがたったの"一回"だなんて。私の前でしたあの宣言は一体なんだったんだろうね。−10点」
「か、辛口評価……」
家入先輩と夏油先輩の口振り的に、現在【計−20点】の評価を受けているのは恐らくこの場にいない五条先輩なのだろう。
仲良しだからこその辛口評価というか、二人とも随分と楽しげに五条先輩のダメ出しをしていっている。
私はあまり知らないけど、これが普段からの先輩達の距離感なんだろうな。とても心地いい。
けれど一応、私は五条先輩に助けてもらった立場だ。
私にではなく五条先輩だけに火の粉が降りかかっているのもなんだか申し訳なくて、お二人のノリを崩さない程度に訂正を入れようと、近くにあった紙皿の裏にキュッキュッとペンを走らせた。
「じ、じゃあ、私は五条先輩に+30点入れます!」
そう言って【+30点】と雑に書いた紙皿の裏面を夏油先輩と家入先輩の前に突きつける。
こうすればマイナスを入れた札は多くても、合計では五条先輩の評価はプラスになるはずだ。
それになんの意味があるのかは分からないけど、なんとなくその方が私の気分も軽い。
寧ろ、あの日のことを思ったらプラス30点なんてまだまだ少なすぎるくらいだ。
そんな私の熱意が届いたのか、はたまたもっと別の理由か。
紙皿の裏に書かれた【+30点】を見たお二方は同じタイミングで吹き出すと、何故か面白そうな表情で私の頭を撫で回し始めた。
家入先輩はよくあるとして、あの夏油先輩も一緒になって、である。
……不思議なこともあるもんだな。
「私はあんなクズよりAに+10点あげたいね。やっぱ可愛いよお前」
「仕方ない。今回は君に免じて+1にしてあげよう。悟なりに頑張ったってことだろうしね」
よく分からないけどさっきの合計からは一変、五条先輩の評価は【+30点】【+1点】【0】で合計【+31点】となった。
良かったですね五条先輩。
それからまた最初の方の話に戻り、私は話している内に思い出した【初めて五条先輩の方から話しかけてくれたあの会話】をお二人に話した。
すると何故だろう。
先ほどの穏やかな空気は一瞬で吹き飛び、家入先輩の咥えていたタバコからは吸い殻が溢れ、夏油先輩の顔からは笑顔が消えた。
「殺すからとかどこの拗らせ中坊だよ。−100点」
「大切な人相手に殺すからは無いね。−100点」
「そ、そんなぁ……!私の努力が……!」
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縁儺 - (夏油目線です)悟、流石に夢主に彼氏はないだろう 悟「うっさい!」はいはいそれは誠にすみませんでした五条悟様☆w 悟「チッ」 (2022年4月28日 18時) (レス) @page38 id: a1a94a6f52 (このIDを非表示/違反報告)
薄味(プロフ) - Hrmna_119さん» コメントありがとうございます!続きも頑張ります! (2022年2月13日 11時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
Hrmna_119(プロフ) - とっても楽しそうで面白いです!(?)続き待ってま〜す! (2022年2月11日 23時) (レス) @page28 id: 4e57ef443a (このIDを非表示/違反報告)
薄味(プロフ) - 石川祐希は神☆さん» コメントありがとうございます!キャラ同士のやりとりは私もノリノリで書かせていただいてます(笑)更新頑張ります! (2022年2月9日 23時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
石川祐希は神☆ - コメント失礼します。めっちゃ面白いです!!この話!キャラ同士のやりとりとか…笑 更新頑張ってください! (2022年2月9日 7時) (レス) @page27 id: e905b060a1 (このIDを非表示/違反報告)
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