52.*PTSD(BLACK,BLUE) ページ6
☆リクエストより
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リアル設定
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黒side
6人いる。
ジェシー、京本、高地、慎太郎、樹、俺。
グループになって、はや5年。なんなら、もうすぐ「6」周年。
当たり前のように、「僕たちは、6人グループです。6つの音色、6つの原石という意味もありまして」って自己紹介を毎回。
言い方は悪いけど、しつこいくらいに6に縁があるグループで。それを俺たちは大切にしてきた。
心のどこかで、確かに言えることではないのに、「6人が欠けることはない」そう思っていたんだろう。
あの日。
イヤホン越しに、あいつが呻く。
動きたいけど、どうしたらいいか分からなくて。
その間にも、ガラスが割れる音。
そして、振り上げられるパイプ椅子。
振り下ろされた先にいるであろう、大切な絶対に俺の人生から外せないあいつがいる。
視覚から、聴覚から...
鮮明すぎるほどの情景が流れこんできて。
俺の勝手な思い込みが壊されていく数分だった。
目の前で、「6」人が5人になる瞬間が見えた気がしたんだ。
樹「ぉーい...おいって!!北斗?」
肩をぽんっと叩かれて、ハッとした。
呻いていたはずの樹が、大きな口を広げてニカッと笑っている。
樹「どうしたんだよ笑、もしかして、ビビっちゃった!?」
その通りだよ。
そういえばいいのに、俺の面倒くささが邪魔をして出てきた言葉は全く違うものだった。
北「や、まさかぁ..やってんなって思ってたよ!あそこはさ、もっとこう..なんて言うかな」
樹「うわ、出たよっ...ねぇえ、みんなあぁ、北斗が俺に演技指導してくんだけどっ」
ジェ「えぇ!?樹、なかなかの名演だったよ」
樹「ちょっと待って!?ジェシー、名演なんて知ってんだ?..んはっ!!」
ジェ「知ってるしぃ、そんくらい俺だって」
わいわい言い合うジェシーと樹。その周りでも、高地や京本、慎太郎も笑顔でふざけあっている。
俺だけなの?
樹を誤魔化せたのはいいものの、自分のことは誤魔化せなくて。
ザワザワとする心を、押し込めることはできなかった。
気を抜けば、さっきの呻き声が俺の耳の中で反響しているような気がして、ぶんぶんと頭を振ってどこかに吹き飛ばそうとした。
こういう日は、ゆっくりするのが一番いい。
風呂にのんびり使って、辛いものでも食べちゃおう。それで、早めにベッドに入ってぐっすり...
完璧だ。
今日のことをなかったことにできそうな一日のプランを、頭の中で思い浮かべた。
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作者名:みかん | 作成日時:2021年2月3日 23時