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緑side
ぼーっと、廊下のソファに座り込む。
一点を見つめていないと、自分の情けなさが溢れそうで目の前の自動販売機を見つめる。
それも、1番下の真ん中にある飲み物のボタン。
そこに人影が重なって、小さく声を漏らしてしまった。
慎「あ.....」
高「ほれ、やるよ」
にっこりと振り返ったのは、高地先生だ。
暖かいコーヒーを、丁寧に手渡ししてくださって、有難くいただく。
慎「ありがとうございます。」
高「慎太郎、今日良かったよ。」
そう一言言って、先生も一緒にコーヒーを飲み始めるけど、俺は飲めなかった。
どうにか耐えていたものが、少しづつ溢れ出してしまったから。
ずずっと鼻をすすった音が、静かな廊下の響いて高地先生が吹き出す。
高「なんだよっ、せっかく褒めたのにさ..相変わらず泣き虫は変わってないんだな」
慎「すみませっ..で、も..ひさ、しぶりに怖くて」
きょもが苦しそうに洩らす呻き声。
綺麗な顔を、歪めながら必死に痛みを逃そうともがく姿。
黒目がぐりんと回っていく様子。
ついさっきまで、力が込められていた身体が弛緩していった。
ここ最近落ち着いていたから、俺も緩んでいたのかもしれない。
高「いーんだよ、怖くて。怖くなくなった時が、一番怖い。」
慎「ん、..はぃ」
高「ま、腰抜かされたら困るけどな笑」
慎「なっ!..そ、れは...」
まだまだ新人だった時の思い出を出されて、段々と恥ずかしくなっていく。
高「ひゃははっ!...よし、戻ろうぜ」
慎「はいっ...ありがとうございます。」
高地先生は、さっきと同じ笑顔でコーヒー缶をゴミ箱に投げた。
慎「ありゃ...んふ、たははっ!!」
その缶は外れて、カランと音を鳴らして廊下に転げ落ちた。
高「うっわぁ、はずかし!はっずかし、俺。...大我には内緒な!?」
絶対にきょもに伝えよう。
早く話したいな...
きょも、はやく目覚めてくれますように。
✩｡* *｡✩✩｡* *｡✩
リクエストありがとうございました!
Twitter:@MiKAN__rain(お話書いてます)
新作もありますので、よろしかったらご覧下さい。
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作者名：みかん
| 作成日時：2021年2月3日 23時
