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桃side

嫌な感じ。
そう思っていたものは、形となって現れちゃった。


本当は心配されるのも、自己申告するのも嫌いなんだよ。
自分の弱いところを認識してしまうようでさ?



良くないことだっていうのは、重々承知してる。



こーち、うるさいし意外と心配症だから。




ぎゅうっと締めつけられる、俺の左側寄りの中央。
朝から感じていたよりも、ずっとずっと重い発作だ。


嫌だ嫌だとは思うけど。
この痛みのせいで、何かあったら..なんて考えるだけで悔しいから。


俺を、必ず守ってくれる2人を呼ぶ。


霞む視界の中、ナースコールを押した。



大「ん゛ぅ...ハァハァ、っ...う」


ストライプ柄のパジャマに皺を寄せるけど、なんの助けにもならなかった。



さっきまでくるまっていた掛け布団が、俺が悶えるせいでぐちゃぐちゃに乱されていく。



慎「きょも!!!!すぐ、先生呼ぶからね」



大「ぃ゛..ぁあ、は..んぅ..ハァハァ、ん゛ぁ」


慎太郎が話しかけてくれるけど、俺は意味の無い濁点ばかりの語を発するだけ。

バタバタとたくさんの足音が近づいてくる。



その中に、高地..いるかなぁ



いたらいいな



慎「もうすぐ、高地先生来るから。きょも、しっかりね」


大「ぅ...は、ん゛ぃ...」



慎太郎の落ち着いた声。

いつの間にか、しっかりしてさ..



少しづつ感覚がなくなってきて、目の前が暗く、色んなところが絞められていく感じがする。



喉も、目も、耳も...。



高「大我っ!!!たいが」



大「..ハァ、こ...ち.ぅあ..んぅ..はっ、」


分からない。何もかも。

容赦なく締め付ける痛みに、どんどん俺は吸い取られていく。



高地らしき声を最後に、全ての扉が閉じられた。

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作者名:みかん | 作成日時:2021年2月3日 23時

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