・ FUTURE ０１３ ページ15
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・緋山side
──────────「 こちら翔北ドクターヘリ 」
初療室のスピーカーがら聞こえてきた声に思わず手が止まり、藤川と顔を見合わせる。
「 30代女性、頭部外傷で意識レベル100に落ちた。挿管と頭部CTの準備をお願いします。 」
まさか、と藤川を見ると満更でもなさそうな顔をしている。もしやこれは……知ってたな？
緋山｢藍沢？これ、｣
藤川｢ああ。あいつ今日トロントから戻ってくるって｣
緋山｢それで空港に居合わせたの？藍沢が重症患者呼んでんじゃない？｣
鼻で笑いながら言えば近くで準備をしていた名取も鼻で笑った。
嬉しいくせに。と私にだけ聞こえるように呟いた名取の声になんとも言えなくなる。
そんな時ちょうど頭部外傷の患者が初療室に入ってきて、一緒に藍沢も入ってくる。
コートを脱ぎ机の上に乱雑に置かれたそれから、香るはずのない柑橘系の甘い香りがする。
気付いたのは私だけだったと思う。
過去にその香水を私は貰って付けているから。あの香水は海外でしか売ってない高いもの。だからつけてる人物なんて限られている。
それが身近に香るということは紛れもなくあの女ってこと。
藤川｢どうだった？トロントの下見｣
藍沢｢右上腕の変形もある。整復は必要か？｣
藤川｢はいはい、それよりも仕事しろってね｣
そんな藍沢の態度に苦笑しつつも触診を始める藤川。
じっと藍沢を見つめる視線に気づいたのか私の方に向く。
藍沢｢なんだ？｣
緋山｢……今の顔で理解。｣
藤川｢なんの話してんの？あ、これ肘もやってそうだな。シーネ｣
広田｢はい！｣
なんだ？と言った時の顔が言っていた気がする。
──────────── 帰ってきた、と。
誰が、とか敢えて言わないで、そんな気がする。ただそれだけだけれど変に緩んだ頬をそのままに腹部エコーをしている名取に声をかける。
緋山｢どう？｣
名取｢FAST陰性です。心筋の動きも正常です。｣
緋山｢じゃあ頭と腕だけね｣
｢20代女性、肺挫傷の患者がまもなく到着します！｣
そんな看護師の声に頷きつつ、もう戻ってきたのかヘリ早いなって頭の中で思う。
橘｢胸部外傷の患者か。入れるやつ｣
緋山｢頼んだ｣
看護師に続いて入ってきたのは橘先生で手袋とガウンを身につけながら入ってきた。
藍沢に頭部外傷の女性を任せると隣の初療台へと移って準備を始める。
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彩 - lifesaving完結おめでとうございます。このシリーズが好きなので、ファースト、セカンドと読んでみたいです。 (2018年9月8日 8時) (
レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
ＥＹ - 面白くて、いつも見てます！応援してます。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: b0e80ae05c (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - いつも、見てます。 更新頑張ってください。 (2018年9月2日 11時) (レス) id: f2953c6db2 (このIDを非表示/違反報告)
nogi_yw_46(プロフ) - 更新待ってます。 (2018年8月31日 17時) (レス) id: 15f45a167f (このIDを非表示/違反報告)
佐藤勝利LOVE(プロフ) - 最初から何度も読ませていただきました。 これからも頑張ってくださいね！ (2018年8月28日 15時) (レス) id: 9db5a86e99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラベン
| 作成日時：2018年8月22日 15時
