・ FUTURE ０１１ ページ13
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・No side
思わず治療する白石の手が止まる。
白石｢ごめん、やっぱり待って｣
そんな白石の言葉に冴島が顔を上げる。
同じように冴島の視界に入ったことによって冴島の瞳は大きく見開かれ涙が溜まる。
機体のドアに連結された移動式タラップから負傷した女性を抱きかかえながらコート姿の男性が降りてくる。
その後ろから脚が長い、銀髪の、青い目の女性が赤く濡れたゴム手袋を外しながら降りてくる。
白石｢な、んで、｣
白石と冴島の瞳からポロリと涙が一つずつ零れ、スローモーションのように映っていたその映像が普通の画面に戻る。
『今耕が運んだ女性は20代、胸部を強く打っていて呼吸状態が悪い。多分肺挫傷ね』
そう言って持っていた赤のマジックでトリアージをしていく。
白石｢な、なんで、｣
藍沢｢40分前の便でトロントから戻った時一緒の便に乗っていたらしい。降りた時に俺も会ってまだ詳細は聞けてない。｣
『げぇ、それ後から聞かれるやつ？』
藍沢｢当たり前だ。｣
『おぇ、考えただけで吐き気』
懐かしい、この感じ。ここ数ヶ月は無かった2人の小競り合い。昔、フェローだった頃にほぼ毎日見ていたこの光景が、帰ってきた。
藍沢｢馬鹿なことを言ってるな。手を動かせ｣
『動かしてるんですけど。』
白石｢っ、その女性は赤タグね？こっちの頭部外傷の女性、意識レベル100に落ちた。どっちか任せていい？｣
2人の小競り合いに白石が横槍を入れると立ち上がりゴム手袋を外す彼女は、冷たい目を白石に向ける。
その目も、久しぶりだ。と感じたのも理由がある。
フェローの頃は白石と藍沢が話してると嫉妬丸出しでそんな冷たい目を白石に向けてきた。
ここ数ヶ月は、そんなの無かったから忘れてた。
そうか、ここ数ヶ月は、背負っていたものが大きすぎてそんなことをする余裕が無かったからか。と気づいた白石だった。
『藍沢に頼んで、私は向こうの患者みる。冴島行くよ』
冴島｢っ、はいっ！！！！｣
『めっちゃいい返事じゃん(笑)』
笑い合いながら走って行った2人はまるでフェローの時に戻ったようで。
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彩 - lifesaving完結おめでとうございます。このシリーズが好きなので、ファースト、セカンドと読んでみたいです。 (2018年9月8日 8時) (
レス) id: ed5c94d402 (このIDを非表示/違反報告)
ＥＹ - 面白くて、いつも見てます！応援してます。 (2018年9月5日 17時) (レス) id: b0e80ae05c (このIDを非表示/違反報告)
ムギ - いつも、見てます。 更新頑張ってください。 (2018年9月2日 11時) (レス) id: f2953c6db2 (このIDを非表示/違反報告)
nogi_yw_46(プロフ) - 更新待ってます。 (2018年8月31日 17時) (レス) id: 15f45a167f (このIDを非表示/違反報告)
佐藤勝利LOVE(プロフ) - 最初から何度も読ませていただきました。 これからも頑張ってくださいね！ (2018年8月28日 15時) (レス) id: 9db5a86e99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラベン
| 作成日時：2018年8月22日 15時
