Lifesaving - 感じる鼓動 - 7章

・ LIFE ３０６ ページ25

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・雪村side





渡り廊下のベンチに座りながらスマホを触ってる横峯先生。……なにやってんの、仕事中に。と注意しようかと近づくと見えた画面。





“佐倉消防 レスキュー隊 佐藤文彦さん

救助中に土砂に巻きごれ死亡。仲間の励ましも虚しく駅到着まで20メートルの所で息を引き取る”





その言葉にあの場面がフラッシュバックする。どうしよう、なんて言おう。と悩みながらも、結局私は素直じゃないから。





雪村｢……勤務中はスマホ見ない。学生アルバイトかっつうの。｣





スマホを取り上げて電源をオフにする。それ以上何を言っていいのか分からなくて横峯先生のスマホカバーをじっと見る。ハート多いな、これ。





横峯｢もう少し早く胸を開けていたら佐藤さんは生きて甥っ子さんに会えてたかもしれない。｣





そんな言葉が聞こえてきて顔をあげれば横峯先生が泣きそうな顔をしていた。…そんなの、私だってそうだよ。




もし私が冴島さんだったら、もし横峯先生がA先生だったら。あの最強コンビだったら佐藤さんを救えていたんじゃないかって思ってしまう。




その度にまだ自分は力不足で、1人じゃ何も出来ないことを痛感する。





横峯｢でも、怖くって。早く駅のホームまで運ぼうって。そうすれば誰かほかの医者が助けてくれるって。｣





本当に、その通りだ。と頷きそうになった時、近くの検査室から藍沢先生が出てきた。




座って落ち込んでる私たちを見て藍沢先生はため息をひとつついた。





藍沢｢相変わらずの思い上がりだ｣





相変わらず、キツい言葉ですね。って言いそうになってしまった。隣の横峯先生が泣きそうになってるし、酷い。






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